動画中の「Macは27インチ4Kモニターに正式対応していない」という主張は事実ではありません。Macは27インチ4Kモニターに正式対応しています。正式対応していないという主張の根拠はどこにあるのでしょうか。Appleは27インチ4Kモニターに正式対応していますから、正式対応していないとは発表していません。 Macでの「解像度を変更するとパフォーマンスに影響する場合があります」という表現は、モニターの最大解像度以外の低い解像度、つまりスケーリングを行うことが指定された場合のことを意味しています。それ以外の意味はありません。例えば、27インチ4Kモニターで本来の163ppi(3840x2160)で表示すると、UIなどが小さくなりすぎるために、システム設定で109ppi(2560x1440)などを指定して150%などのスケーリングを行った場合、最新のAppleシリコンのMacであれば、パフォーマンスの低下は実際にはほとんど無視できるほどわずかなものです。このごくわずかな影響を、Appleは速度の遅い古いIntelマシンなどを念頭に「パフォーマンスに影響する場合がある」と極めて厳密に表現しているに過ぎません。 Macの推奨ppiが、スケーリングなし(100%)でパフォーマンスの影響が完全にゼロになることを意味するなら、モニターのサイズに応じて、92ppi(FHD)、94ppi(WUXGA)、109ppi(WQHD)、163ppi(4K)、218ppi(5K)のいずれもが該当することになります。なお、前で説明した通り、100%以外のスケーリングを行う場合も、最新のAppleシリコンのMacであれば推奨ppiとして問題ありません。 27インチ4Kモニターで109ppi(2560x1440)を指定して150%などのスケーリングを行った場合であっても、表示に滲みなどは生じず、くっきりとした表示が行われています。この時、1ピクセルは約0.23mm(0.009インチ)になり、モニターから70cmほど離れて見る場合、人間の識別限界とほぼ同じサイズです。平均的な視力を持つ人にとって個々のドットを明確に識別するのは非常に困難です。ほとんどの人は滑らかで連続的な画像として認識します。ただし、非常に鋭い視力を持つ人や、特に高コントラストな要素を注意深く観察する場合には、わずかにピクセル構造を感じ取れる可能性はあります。 また27インチ4Kモニターの場合に本来の解像度である163ppiに、Macが必要な解像度218ppiから不足している55ppiをMacのGPUで追加して擬似的に218ppiを再現している、という主張も事実ではありません。Macは218ppi(5K)でも表示できますし、163ppi(4K )でも表示できます。どちらの場合でも、スケーリングなし(100%)ですから、GPUはそのまま描画しているだけです。不足分のppiを追加する処理などGPUは行なっていません。 Mac miniだけ標準解像度が明記されていないという理由は、Mac miniはディスプレイを内蔵していないからというだけの理由です。つまり、Macはどのような解像度のディスプレイでも正式対応しているということです。同じことは Mac studio でも言えるはずです。 あなたが参考にされた動画には、その誤りを指摘するコメントがいくつも投稿されています。現状の動画内容は、視聴者をいたずらに誤解させる内容となっています。早急に訂正コメントを投稿された方がよろしいかと思います。