毎年、夏になると戦争に関する記事がふえてきますが、昨年8月のある晩、夕食後にくつろぎながらネットニュースを見ていたら「〇六兵器（まるろくへいき）」という文字が目にとまりました。
なんだろう、と思って読み進めると、それは生身の人間が爆弾を積んだ魚雷ごと敵艦に体当たりする特攻兵器「回天」のことでした。

カミカゼ特攻隊のことは知っていましたが、回天のことは全く知らなかったので「こんなものがあったのか！」と、ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けました。
さらにネット検索を続けていると、元回天搭乗員の残した言葉に出会いました。
「この身を弾丸に代えなければ日本は救われない。民族と国土を護る手段はもうこれ以外にはない」
これを読んで、特攻隊とはこんな気持ちだったのかと初めて知りました。もちろん、すべてがそうではないでしょうが、本来は強制的に行かされたわけではなく、祖国の危機を何とか救おうと自らの意思で出撃していったのです。

元回天搭乗員はこうも語っていました。
「彼ら（回天特攻隊員）が世間に知られず理解もされないでは、純粋な気持ちで生命を捧げた連中が可哀想ですから、なんとかこの世に名前を残さねばと思います。彼らが何をやったか、どういう考えで命を捧げたかを、後世の人の記憶に留められる様に残して行かなければという、生きている者の義務というか、責任を感じています」
これを読んで私は大きく心を動かされました。
回天特攻隊について書かれた本は、何十年も前に出版されたものが多く、今はもう一般に流通していません。しかし、忘れてはならない話がたくさん詰まっていますので、これを何とかして次の世代に伝えたいと思いました。

我が家の小学生の娘は、宿題で調べ物をするのも、お菓子作りのレシピを見るのもユーチューブです。若い世代には動画のほうがなじみがあるようなので、すでにユーチューブで動画配信を始めていた娘に教えてもらいながら、私も動画作りを始めました。

素人が見よう見まねで作っていますので、立派な出来ではありませんが、ともすれば古書店の隅に埋もれてしまいそうな特攻隊員たちの声を、現代によみがえらせることが出来ればと願って、日々奮闘しています。またこれが私にできる、英霊への敬意と感謝を表す方法でもあると思っています。