最後の部分にジョン・レノン死亡のニュースがある部分と、歌詞に出てくる「雨が降りだした午後にラジオをつけたら流行り歌ばかりで気が滅入る」という件の対比、実はこの部分に当時、フォーク一本ではなかなか売れなくて情けない心情が出ています。アルバムではこの2曲後に「SAVED BY THE LOVE SONG」という高見沢自身がその情けなさゆえにギターを壊してしまった事実を題材にした曲につながるわけですが、この2曲に当時のアルフィーの葛藤と、これから進むべき目標がよく出ているのが分かるかと思います。つまり、気分はロックンロールのアンサー曲がSAVED BY THE LOVE SONGで、高見沢俊彦がこの後、アルフィーの曲をポップス、ロックへと変化させつつも、三人がサイモン&ガーファンクルとともに敬愛するジョン・レノンの生前の路線である「Love and Peace」を継承しつつ誕生したのが、現在でも続いているTHE ALFEEの路線ということになります。ALMIGHTYというアルバムの中でもこの2曲が意味しているものは現在に至るうえで大きく、ゆえに「名曲」と言えるのです。 ちなみに、この歌の他にも、ビートルズのメンバーのニュースを題材にした曲として、イエロー・マジック・オーケストラの「NICE AGE」という曲があり、あちらはポール・マッカートニーがYMOとセッションライブで来日する際、麻薬所持により税関に捕まってしまいセッションライブが中止になり、一週間後にポールがイギリスに強制送還される際に、花のように観衆の前に姿を表すという一連の出来事を揶揄するという曲です。ちょうどこの曲は、アルフィーのレノンの死のニュースを使った気分はロックンロールと対比できる歌であり、アルフィーはレノンへの目標を表すという意味で、そしてYMOはポールへの揶揄という意味で、どちらも意味が深く、そして対比できる曲だと思います。