最近、小学校で「あだ名」を禁止し、「さん付け」を推奨している学校が増えているということです。その狙いはどこにあるのでしょうか。
「あだ名では呼ばない…」
名古屋市東区の東桜小学校では…
(4年生)
「じゃあふうかさん」
「たかとくん、どうですか」
「あやなさん、付け足しどうですか」
授業中、担任の先生は児童たちを「さん付け」「くん付け」で呼んでいます。児童たちもそれに合わせているとのこと。
(4年生)
「ふうごさんとそうしさんに付け足しで…」
「はるなさんが言っていた矢印に付け足しで、記号が使ってあってわかりやすい」
休み時間は…
(4年生)
「あつし 校庭行こう!」
Q.あだ名で呼ぶ?
(4年生)
「ううん、呼ばない」
「下の名前で言うことが多い。そこに『くん付け』とか。『あだ名』よりも呼びやすい」
「変な言葉とか嫌な言葉とかは使わない」
「あだ名で呼ぶと誰かわからなくなったりするし、その子が嫌な気持ちになっちゃうかもしれないから普通に名前で呼ぶ」
この小学校では児童同士が「さん付け」で呼ぶことをルールでとして強制はしていませんが、場面に合わせた言葉遣いや呼び方をするよう指導していて、授業中では基本的に「さん付け」「くん付け」にすることを推奨してきました。
そして、何よりも誰かが嫌な気持ちになる呼び方はしないことが、児童たちの間では当たり前になっているということです。
(5年生)
「私も、まきさんと、りょううさんと、みおさんと一緒で…」
一方、こちらは岐阜市にある市立則武小学校の授業の様子です。児童同士も「さん付け」で呼び合うことが浸透しています。
校長先生によりますと、岐阜市では10年から15年ほど前から、市内の小中学校では「さん付け」を推奨してきたとのこと。背景には「ジェンダーレス」の時代背景があったからとか。
では児童の皆さんに授業中の「さん付け」について聞くと…
(5年生)
「『さん付け』で呼ぶと、気が引き締まっているような感じがする」
「『さん付け』は、呼び捨てより呼ばれた相手もいい」
このように『さん付け』をプラスと捉える感想がある一方でこんな意見も…
(5年生)
「幼稚園では『くん』、『ちゃん』だったので『さん』は違和感がありました」「『さん付け』は緊張しちゃうので『さん付け』じゃない方がいい」
様々な思いがあるようですが学校側は…
(岐阜市立則武小学校 松岡猛校長)
「時と場を考えて『さん付け』で呼ぶところ、または『ニックネーム』で呼んでいいところ、また『蔑称』については厳しい態度で指導していく。メリハリが大事なのかなと思っています」
実は、「さん付け」は授業中での決まり。休み時間は「あだ名」もOKとしています。
では、『あだ名』で呼び合うことについて児童たちは?
(5年生)
「『あだ名』で呼ばれて傷ついたって思うことはあると思うの。『あだ名』で呼んでもいいのか聞いてから呼んだり…」
「『ちゃん』の方が仲良くされている感じ。信用してくれているんだなって…」
しかし、全国的に「さん付け」推奨の学校がいま増えている背景には、身体的特徴と結び付けたりと、イジメ助長の可能性もあるからということも。
では、校長先生の思いを最後に。
(岐阜市立則武小学校 松岡猛校長)
「『愛称』は私も経験がありますけど、休み時間になったら『松ちゃん』と呼ばれて、いろいろな友だちから呼ばれると、非常に親しみやすく良いもの。『蔑称』と『愛称』を区別して、生きていける子どもたちに育ってほしい…」
5 сен 2024