まだ忘れられない、あの夏の君へ。
最近なんだかつまらないの
歩くのが少し速くなったみたい
何を見ても何を聴いても
無意識に溜め息溢れるの
夜も長くなったし
眠れるようになると思ってたけど
瞼を閉じればあなたの
その大きな背中が
ゆっくりと振り返ってくるの
忘れようとする程に
心が蝕まれていくの
悪いのは全部私なのに
想っていて欲しいなんて
笑えてきちゃうな
忘れられないくらい
優し過ぎたあなただから
少し心配しているけど
どうかあの夏の日々のように
笑っていて欲しい
そうあの日の帰り道
長い長い沈黙の後に
息を吸うあなたの音を聞いて
私がその言葉を遮ったの
最後の最後まで
自分勝手でごめんなさい
許してなんて言わないから
その手の温もりまだそっと
抱えたままでいさせて
会えなくなるなんて
言える訳がないじゃない
強くなんてなれなかった
振り返らないと決めて
此処まで来たのに
あなたを想いながら
酷く静寂な夜を歩く
向かいから走ってくるシルエットは…
なんて馬鹿なことばかり考えながら
忘れられないのなら
もう少し、あと少しだけ
愚かなこの頭を支配して
視界が滲んで前が見えない
あの夏に戻りたい
29 окт 2024