「アキナ」村下孝蔵（中森明菜） 

1991年3月21日に、18枚目シングルとして発売された。
村下孝蔵デビュー12年目である。
作詞・作曲：村下孝蔵
編曲：水谷公生
この歌に関しては諸説ある。
Wikiでは、曲名の『アキナ』は歌の中では女性の名前として仮託された名であるが、村下はこの曲を中森明菜を元気づける意味あいで作っており、そこから『アキナ』の曲名がついたという。とある。
またWeb上では、この歌が生まれた経緯として、中森明菜のために作られたという訳ではなく、世間一般の女性、特に元気のない女性への応援歌ということで制作された、ということになっているようだ。
歌詞の最後にある「笑って、アキナ」という部分も、元々は「笑って　ごらん」だったとのこと。
でも、「笑ってごらん」よりも、名前にしたほうがいいかなということで、音的に響きの良かった「アキナ」を使うことに。
さらに、『アキナ』のジャケットになっているイラストの女性は、明菜のイメージにならないようにということで発注されたそうだ。
でも、「ごらん」が元歌だったら歌詞で「咲きな」「泣きな」「咲きな」と続いて最後に「アキナ」と韻を踏んだように歌うだろうか？
そう、1991年頃、明菜にとってはトラブル続きの本当に不遇な時期。
すべてを捧げた果てに、激しい絶望感を抱いていた頃…
その一途なひたむきさを前にして、村下は明菜への応援歌を書かずにいられなかったのではないだろうか。
この歌には心身ともにどん底だった明菜へのエールが込められていると思う。
　手おいの白鳥
心に深い傷を負い、精神的にも追い詰められ、それでも必死になって立ち向かう…
可憐で美しい女性。
まさに当時の明菜そのものなのではないか。
発売当時、村下はこの歌について、こんなコメントをしている。
「同じ歌手として明菜さんを応援してるし、また是非歌って欲しいと思っているので、彼女への応援歌として解釈されても構わない」 と。
もし村下がご存命なら夢の共演が実現していたかもしれない。
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