エンパイア・オブ・ライト まさに映画愛に満ち満ちる映画でした。 「バビロン」そしてただいま公開中の「フェイブルマンズ」と本作は「映画愛三部作」と読んでもいいぐらいでしょうが、何故今なのかとの疑問も沸きましょう。 ひとつは多分これらの企画時期がコロナ禍の初期であって多くの映画館が閉館を余儀なくされてしまい映画が劇場で一切鑑賞できなかった頃だったからでしょう。 また確かに以前にも映画愛に満ちた映画はありました。「ニュー・シネマ・パラダイス」然り「The Hand of God」然りです。両者共に主人公が今ある現状から飛び出してゆく旅立ちが描かれていることもさらに共通もいたします。 旅立ってゆく者と、残されゆく者と、 それはあらゆる人のその人生の営みに現れては消えゆく一抹の光のようです。だからこそ誰にとっても余韻があって、老舗だろう劇場「エンパイア」に流れたこの一筋の光とも重なる情景なのですね。