フルートだけでなく合奏においてどの楽器も活用できる小技を紹介します。今から大切な発言がある場合、最初の音を少し押し気味に伸びやかに乗せる。ちょっとしたテクニックではありますが、例えばコンクールの審査員など、聞く人が聴けば「あぁ音楽のことをよく分かっているな」と思われます。これは専門的に言えば、入りの音にアゴーギクを用いるということになります。今回のシーンのようにフリーなソロシーンであれば自由度も高いですし、反対にかなりかっちりした速めのテンポであればここまでは許されずとも最初の音をテヌート気味にするだけで同様の効果が得られるかもしれません。またこうすることにより、その曲を知らない人でも新しい楽器の入りが聞き取りやすく、聴いていて疲れない演奏になります。「次は新宿」という電車の車掌さんのアナウンスからも色々な学びがあります。「つぅぎはぁー…」というこの入りが今回の要点です。更に言えば「次は」の「わ」を伸ばし、間を取る。「えっ?次は、何??何なの?早く言って!」と感じる人もいるかもしれません。人の話し方からも色々な音楽演奏のヒントが得られます。
以上、今日はそんな話題でした。音の飛距離を伸ばすため、歌心を表現するため、他楽器と差別化を図るために活用されるヴィブラートとは別に、その演奏の音量感、ボリューム感が聴覚的に増加したと錯覚させる大事な方法です。ぜひお試しください!
北海道内大学吹奏楽部コンクールレッスンより
楽曲:片岡寛晶作曲「海峡の護り」
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【吹奏楽指揮&指導者 堀江龍太郎】
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略歴:
指揮者、作編曲家、吹奏楽指導者。東京芸術大学附属高校、ライプツィヒ音楽大学、ベルリン芸術大学大学院首席卒業。ドイツ国家演奏家資格取得。ドイツ国立音楽学校専任講師、メニューイン音楽財団ソリスト、ノルトハウゼン歌劇場契約団員、東京佼成WOやゲヴァントハウス管弦楽団等、国内外の交響楽団で多数客演を務め、過去通算3,000回を超える演奏会に出演。北海道十勝しみず吹奏楽団音楽監督。客演指揮、学校指導、個人レッスンも行う。
吹奏楽指導経験:
全国の中学高校大学など60校以上を指導。遠隔地においてはオンラインを活用したレッスン、客演指揮やアンサンブルコンテストなどの作編曲も行う。
16 сен 2024