権利の関係でエルヴィスの曲を使えなかったのは、結果的にはよかったのではとわたしは思っています。結局、彼の歌はプリシラの心には届かなかった、彼女の心を代弁するのはエルヴィスの歌ではなかったと解釈しました。ラストにはドリー・パートンの“Always Love You”が流れましたが、じつは『エルヴィス』で二人が別れる時(離婚後、飛行機のタラップの近くで)、エルヴィスがプリシラに“I will always love you.”と言っているんです。なので、この曲はそれに対するプリシラのアンサーとも取れるし、ソフィア・コッポラからバズ・ラーマンに対するオマージュかもしれないですね。 『ボディ・ガード』で有名になりましたが、オリジナルはドリーでエルヴィスもこの曲を気に入ってカバーしようとしたようです(パーカー大佐の強欲が原因で実現せず)。全体的には「あっさりしとるなー」という印象の映画でしたが、選曲には深い企みを感じました。なのにパンフレットに楽曲リストがない!あかんやん!