怖いものが嫌いな人だった。
とにかく苦手な人だった。
怖がりで、臆病で、そのくせ強がりで
何もないのに、暗い道で手を強く握られて、ここ実は心霊スポットなんだよ。なんて嘘をついたら
一人の人間になってしまうんじゃないかと思うほどくっつかれたり。
おばけ屋敷も耐えられないぐらい怖いくせに、強がりのせいで入ることになって、受付のお姉さんの呼びかけで悲鳴をあげて逃げ出したり。
だから、怖がりで臆病なことを知っている僕がしっかりしなきゃな、なんて思ったり。
君の強がりに気づいてあげて、怖いものを君にバレないように取り除いてあげないといけない。
子供っぽいところだらけのくせに、その純粋さから優しさも人一倍強くて
だから、一人になるのが怖くて
何よりも嫌なくせに
悲しませないように、泣かせないように
自分一人だけ泣いて
一人でいなくなろうと強がっているのを
僕が気が付かないわけがないだろ。
気をつけないわけないだろ。
一人になって、暗い道を誰と歩くんだよ。
怖くもない人に怯えてる時に誰が笑うんだよ。
君がいない道こそ、僕からしたら暗くて先が見えなくて、怖くて歩けないだろ。
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#心霊スポット
18 сен 2024