ロシアのプーチン大統領が16日訪中し、習近平国家主席との首脳会談に臨みました。5期目の大統領となって初の外遊先に中国を選んだプーチン氏と、電気自動車などをめぐってアメリカとの摩擦を抱える習主席。それぞれ、どんな狙いがあったのでしょうか?
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■侵攻、経済…協力について意見交換か
藤井貴彦キャスター
「16日、中国・北京の人民大会堂のレッドカーペットをロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が歩いていました。お互いほほ笑みを見せるように歩いていて、関係性は良さそうに見えますね」
「プーチン大統領は5期目に入って初の外遊先として中国を選んだということですが、どういった狙いがあるのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「16日の首脳会談では、ウクライナ侵攻や経済など、幅広い分野での協力について意見が交わされたとみられます。今回、とにかく2人は蜜月ぶりをアピールしたい、アメリカ一強の今の世界を変えたいという狙いでは一致しています」
■首脳会談にかける熱意には温度差も
藤井キャスター
「2人の表情を見ていると仲は良さそうですし、一枚岩のようにも見えましたが、どうでしょうか?」
小栗委員長
「会談にかける熱意という意味では温度差もあります。プーチン大統領の方が思いが強いようです。プーチン大統領の頭の中にあるのは、ウクライナ侵攻の長期化です」
「ロシアに詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は『プーチン大統領は、侵攻が年単位で長引くのではないかとみているのでは。それだけに経済力の強化を急いでいて、今回訪中を決めたのではないか』と指摘しています」
「5月に入ってロシア軍の攻勢はますます強まっていますが、今ロシア国内ではセンサーやレーダーといった軍事転用できる製品の生産は難しく、ここで頼りになるのが中国。廣瀬教授によると、こうした軍事転用品の中国への依存率は既に 90%ほどになっています」
■アメリカと対立…中国側の狙い
藤井キャスター
「そうなると、ややプーチン大統領は前のめりになるのかなと思います。習主席はどう考えているのでしょうか?」
小栗委員長
「習主席の方が冷めている部分もあるようです。NNN 中国総局の柳沢総局長によると、中国としては国際的な批判にさらされているプーチン大統領と一緒にされたくはない」
「ただ、プーチン大統領が圧倒的な勝利を大統領選で収めて新たな任期が始まった今であれば大歓迎で受け入れてもいいかな、というくらいの心境だといいます」
「さらに中国としては、プーチン大統領との仲の良さをアメリカに見せつけてけん制したい思いもあったようです。バイデン大統領は電気自動車など中国からの輸入品がアメリカの市場を脅かしているとして、関税を4倍に引き上げるなどの決定をしました」
「中国としては、ただでさえ国内経済が低迷する中、大ダメージです。そういうことをするなら本当にロシアと仲良くしますよ、それでいいんですか? と、アメリカを揺さぶっているという形です」
藤井キャスター
「こういったやり取り、駆け引きを日本側はどう見ているのでしょうか?」
小栗委員長
「日本の外務省関係者は『日本の周辺でも(中露は)爆撃機が共同の飛行訓練を行うなど、連携が進んでいる。今後どんな連携をしてくるのか注視する必要があると、今回改めて思った』と話しています」
■カフカさん「悲しく、恐ろしい」
藤井キャスター
「カフカさんはどう考えますか?」
シシド・カフカさん(ミュージシャン・『news zero』木曜パートナー)
「ウクライナ侵攻や世界での戦争を見ていると、今この時代になってもまだ、暴力にしか解決策を見出せないというのはとても悲しく、恐ろしく感じます」
「ロシアや中国は国内で素直な意見を言うことは難しいのかもしれませんが、昔に比べて広く情報を伝えられるようになっているので、個人の考え方を広く伝えて世論を大きくすることで何か変わることもあると思います。あきらめないでほしいですね」
(2024年5月16日放送「news zero」より)
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25 сен 2024