朗読+読書＝【朗読書】は、朗読を聞きながら樋口一葉の作品を読んでいただく動画です。
（画質を720p以上にするとより文字が鮮明に見えます。）
「琴の音」は、一葉が下谷龍泉寺町に暮らした時期に執筆した作品で、『文学界』第12号（明治26年12月30日発行）に発表されました。
一葉は、小説の原稿料で一家の暮らしを支えようとしたものの思うように収入が得られず、生活に行き詰まった末商いをはじめることに決め、明治26年（1893）7月20日、下谷龍泉寺町に転居しました。一旦は筆を断ち、荒物駄菓子屋を開いた一葉でしたが、『文学界』の同人星野天知や平田禿木からたびたび寄稿を依頼されます。これを受け、「これならずんば死すともやめじ」（「塵中日記」11月24日）との思いで執筆したのが、この「琴の音」です。
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〈あらすじ〉14歳の渡辺金吾は天涯孤独の身。4歳の時に母が家を出、父がやがて自暴自棄となり10歳の時に死んで以降、心はねじけ、母を恨みながら食うや食わずの生活を続けていた。19歳の森江静は根岸あたりに一人暮らし、一心に琴を弾く日々を送っている。ある秋の夜、静が弾く琴の音は、澄み渡る月の光の中、あたかも天上の楽のようであった。この音に魅せられ密かに聞き入っていた金吾は、その美しさに感化されて人としての情を取り戻し、再生する。
27 окт 2024
