早朝。薬剤師の今西利香(いまにしりか)さんは仲間たちと朝食の準備に忙しい。
といってもこれは子どもたち向けの朝ごはんである。今西さんは働いている薬局の空きスペースを借りて「朝の子ども食堂」を始めたのだ。地域の小学生のために月に2回、平日に開いている。
子どもは無料。付き添ってきた親も100円で食べることができる。
食堂のスタッフは主に同じ薬局で働く人たち。今西さんの思いに賛同し参加していた。
食材や備品は自治体からの助成のほか、薬局を訪れる地域の人たちや協力してくれる企業の寄付でほぼまかなうことができている。メニューを見るとサツマイモが入ったおにぎりや、手作りのシフォンケーキ、前の晩から煮込んだおでんなど。どれもおいしそうだ。彩り豊かな朝ごはんである。
朝7時を過ぎたころには「おはようございます!」と元気な挨拶と共に子どもたちが続々とやってくる。手作りの朝食に舌鼓。子供たちは楽しそうだ。
付き添ってきた父親は「子ども食堂だよというと早く起きれるようになった」とわが子の変化に目を細める。
この食堂を始めるきっかけは今西さんが小学校での体験だった。
大学以外の学校には、薬剤師を置くことが義務づけられていて、今西さんも7年ほど「学校薬剤師」をしていたが、その中であることに気がついた。
生活リズムの話をした時のこと。朝ごはんを食べていない子が思いの他多かったのだ。
中には「そもそも朝起きれない」という子どもすらいた。
朝ってすごい大切なのにー
そこで子どもたちの朝を変えようと行動を起こしたという。
それから3年。今西さんはこの薬局のスペースを使ってさらに新たな取り組みに乗り出すことを決めた。この地域でもっとできることがある。そう考えた。
人の輪をつなげるための今西さんの挑戦とは。
(2024年2月21日放送「news every.」より)
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22 фев 2024