G7の首脳が一堂に原爆資料館を訪れる予定ですが、どんな展示を目にするのか注目が集まっています。7年前、当時のアメリカ・オバマ大統領が訪れた際は東館のみでしたが…被爆の実相を見ることができる「本館」の訪問は実現するのでしょうか?
■G7 原爆資料館へ「本館」訪問は実現する?
NEWSDIG 久保田智子 編集長:
首脳たちが一体何を目にするのかに注目が集まっています。実は原爆資料館は東館と渡り廊下で繋がった本館があるんです。おそらく入口のある東館は目にすることになりそうです。
この東館に何があるかといいますと、爆心地を中心に直径5mの範囲を表した広島市の地形模型があります。そこに映像を投影して、街が一瞬にして焦土と化す姿を表現しているんです。つまり東館では、原子爆弾の破壊力が示されているということになります。
さて一方で、ギリギリの調整が進められているのが、本館を訪れるかどうかという点です。この本館には何があるかといいますと、例えば3歳の男の子が乗っていた被ばくした自転車ですとか、中学生が抱えていた真っ黒になったお弁当など、原爆の惨状を示す遺品や資料など約500点が展示されています。つまり本館では個人個人に原爆がどのような影響を与えたか、実相を知ることができる場所ということです。
小川彩佳キャスター:
私も2022年の夏、足を運びましたけれども、もちろん東館から胸に迫るものはあるんですが、涙がこみ上げるように感情を揺さぶられるのが本館だったんです。やはり個々のストーリーに焦点が当たっていきますから、被爆者の方々の息遣いを直に感じることができるような気がします。ぜひ本館を見ていただきたいです。
久保田編集長:
岸田総理もこの本館への訪問に強いこだわりを見せているんですが、実は7年前アメリカの当時のオバマ大統領が訪問した際は、東館のみだったんです。そして滞在時間は約10分。本館は訪問せず、展示品を数点、東館のロビーに並べるだけで終わってしまったということなんです。
さて、7年経ちました。今回は本館に行くんでしょうか?星さんはこのあたりをどのように見ていますか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
そもそもアメリカの大統領が資料館に対して今まで消極的だったのは、アメリカの国内には残念ながら「原爆によって戦争を早く終結させることができたんだ」という意識が強いからです。
しかしやっぱり、原爆は絶対悪なんだということを理解してもらうためには、ぜひこの資料館の本館も見ていただきなきゃいけないんですが、実は数年前にアメリカの当時の国務長官をやってたジム・ケリーさんが本館を見て、非常に心を揺さぶられたと言っていて、同じ民主党の上院議員でもあったバイデンさんにも伝えて、バイデンさんはそういう点では非常に前向きになっていると聞いております。
岸田総理はもうある意味ではホームグラウンドですので、自分が案内をするんだと各国の首脳をこの本館にも導けば、そこはもう自分のテリトリー。十分に説明したいということで、岸田総理は本館を含めて視察をしてもらうということに非常に自信を持っています。最終的には本館まで行って見てもらう可能性は高いと思っています。
久保田編集長:
核軍縮には逆風だというふうに、星さんは話していましたが、この実相を見るという意味合いはある?
星氏:
そう感じたということだと思います。やはりそれも各国の首脳がですね、実際に原爆の被害を目の当たりにすることによって、これが政策としての核軍縮とか、核廃絶という方向に向かっていく、小さい一歩になる可能性があります。そこはぜひとも踏ん張って、各国にアピールしてもらいたいですね。
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17 май 2023