わずか20年前に完成した浜松市浜名区の市営プールが杜撰なメンテナンスの影響で閉館するという事態に陥った。
浜松市営浜北温水プール「サーラグリーンアクア」は、平成16年(2004年)3月に完成した温水プールで、25mプールのほか、子ども用、リラクゼーション、流水プールを完備した総合的な市民プールだったが、昨年2023年の夏休み前の7月に急遽臨時休館となった。休館当初は施設の不具合の調査のためと発表があったが、その後プール天井部分の鉄骨構造部材に腐食が見つかり、957万円をかけて詳細な調査がなされた。市は調査の結果を受けて令和6年(2024年)5月10日の市民文教委員会で、鉄骨構造体の著しい劣化を再確認した上、現況復旧に向け大規模改修、建物上屋の建替え、全面建替えの三つの案を示した。結論は、大規模改修又は上屋建替えによる既存施設の利用は困難として、利用者の安全確保の観点からプールは閉館となった。完成からわずか20年。これを建物の老朽化とする言い訳は通用しない。
また、驚くことに浜松市中央区の温水プール「可美公園水泳場」も設備の故障のため、浜北プールと同じく2023年7月1日より休館中。施設のホームページによると、調査の結果、流水ポンプ及びろ過ポンプ設備の不備により、改修工事を実施し、営業再開は令和7年(2025年)2月を予定しているとあった。実はこのプールは故障の1年以上も前からシャワーの勢いがなく、素人が見ても設備に不具合があると感じる状況にあったので故障は十分予測され、突然の休館になるとは日頃のメンテナンスの怠慢としか言いようがない。
原因はどこにあったのだろうか。浜松市役所の職員や民間の指定管理者が故意にメンテナンスを怠っていたとは考えられない。厳しい予算を押し付けられて身動きが取れず、風通しの悪い組織だったのだろうか。必要なものにはお金をかけるのは当然のことだ。これは1,300億円もの市の借金を返したと自慢していた前の市長さんの事業仕分けの賜物ではないでだろうか。
17 окт 2024