米国アリゾナ州のグランドキャニオンは、「地球上で最も完全な地層の積み重なり」と言われる大渓谷で、約20億年に渡る地球の歴史がその断崖に刻まれています。
渓谷の深さは平均で1200メートル、最大で1800メートルという圧倒的な大きさ。
グランドキャニオンの谷底の地層は約20億年前のものですが、この頃の地球は、まだ単細胞の原始生命しかいなかったような時代です。
大気中の酸素濃度も現在より遥かに低いものでした。
そこから時代を経て、約6億年前に酸素濃度が現在と同等のレベルになり、その後、脊椎動物をはじめとする多種多様な生命が誕生しました。
やがて海の生物は陸上へと進出し、両生類や爬虫類などが生まれ、海にも陸にも生命が溢れていきます。
そして2億5000万年前、地球の生命は史上最大と言われる大量絶滅を経験します。
このようなダイナミックな地球の変遷が、20億年という歴史なのです。
グランドキャニオンに刻まれた歴史がいかに壮大か、何となく実感できるのではないでしょうか。
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◆プロフィール
【渡邉 克晃（わたなべ かつあき）／ サイエンスコミュニケーター】
物質材料研究機構（NIMS）、東京大学地球生命圏科学グループ、環境省原子力規制委員会にて鉱物学・地球微生物学の研究に従事し、2020年よりサイエンスコミュニケーター事業を開始。理学博士。
◆渡邉克晃のWEBサイト
『地学博士のサイエンス教室 グラニット』→ watanabekats.com/
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『美しすぎる地学事典』→ watanabekats.c...
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16 окт 2024
