令和4年の八王子まつりは中止となりましたが、上地区は多賀神社の例大祭として、下地区はいくつか町内の有志で行う小さな町祭りとして、居囃子や山車の巡行などが行われました。日差しが強く暑さが目立つ八王子まつりには珍しく涼しい中での催行でしたが、一昨年、昨年と2年間の中止にもかかわらず、しっかりと祭馬鹿(最大限のリスペクトを込めて)のスピリットや技術が受け継がれていました。
今回の各地域での祭りを撮り歩く中で、祭りとはエンターテインメントではなく神事であることを強く感じました。お囃子や山車を曳く掛け声が細胞レベルでインストールされている私たちは、この祭の音や空気で時に癒され時に鼓舞されて日々の練習の成果をカラダいっぱいに表現してそれぞれの神社の神様に奉納します。
その姿は側から見ると結果的エンターテインメントのように映るのかもしれませんが、今回このような縮小されたカタチでエンターテインメントのフィルターを取り除かれたおかげでこの祭の本質のようなものが見えた気がしています。
この気づきを持って、来年こそはフルで八王子祭を催行できたらとても嬉しく思います。
僕自身(店主の弟)は飛騨に移り住んで23年。それまでの25年間はずっと八王子まつりのお囃子が細胞レベルでインストールされていて、動画編集をやるようになってからはいつかは八王子まつりの動画を作りたいと思っていました。ただ、八王子まつりが予定通りに催行されたら僕は祭り衣装を販売している実家の商売の手伝いをしなくちゃならないし、祭り期間中の実家は本当休む間もないくらい忙しいから動画を撮影に行くこともその後に編集することも無理。
そういう意味では今年は大きく縮小したおかげで動画が作れたとも言えます。
この動画で忘れかけたまつりの熱を思い出し、少しでも来年のまつりに向けた英気を養う助けになれたら光栄です。
僕の住む飛騨古川にも長く継承され、市民の細胞にインストールされた神事としての素晴らしいまつりがあります。
まつりは神事としてはもちろん、時代や世代、人や地域をつなげます。
各地域のまつりが、いろんな燻った思いや時世を一掃して心を新たに開催される日が来ることを願います。
12 сен 2024
