航空自衛隊入間基地(埼玉県)から輸送機で約4時間、太平洋に浮かぶ三角形の小さな島が見えてきた。日本最東端にある「南鳥島」だ。東京の南東1860㌔にあり、面積は1・5平方㌔、周囲約6㌔。年平均気温は25度にもなる。
1896年にヤシ油などを採取するため小笠原の人たちが移住、その後、日本の領土となった。1935年から日本海軍が駐屯。第2次世界大戦では米軍の攻撃で191人が犠牲になった。
今、常駐しているのは海上自衛官と気象庁職員約20人。インターネットは使えず島の外との連絡は衛星電話のみ。土がなく農作物が育たないため、食料はすべて硫黄島や本土から空輸している。医師もいない。
今年6月、南鳥島近海にレアアースを高濃度で含む泥が見つかったと発表された。日本の排他的経済水域(EEZ)では初で、採掘できれば、中国からの輸入に頼る現状から脱却できるとして注目を集めた。
液晶テレビや携帯電話などに欠かせないレアアースが年間使用量の約230年分、約680万㌧以上も眠るとされる〝宝の海〟。来年以降、政府は本格的な海洋調査に乗り出す計画で、島では拠点になる護岸工事の準備が始まっている。
海上自衛隊南鳥島航空派遣隊長の寺島勝彦3佐(52)は「最東端の日本の領土に我々が存在することで、主権を護っていると自負している。レアアースの件は、詳しく知らされていないが、ただただ毎日ここで日の丸を揚げ続けることが使命です。」と話した。
16 сен 2024