武川岳は、名栗川の奥にそびえる山です。
武甲山に登ったら、次に挑戦してみたくなるルートで、秩父山地の多様な景観を楽しみながら、しっかり距離を歩き、充実した登山体験ができます。
西武池袋線飯能駅から、国際興業バスの「名郷行き」または「湯の沢行き」に乗車します。
このバス路線は1922年に運行を開始し、100年以上の歴史を誇ります。
当初は馬車道として利用されていた道が、やがてモータリゼーションの波に乗って乗り合い自動車に転換され、現在の路線バスの形態に発展したそうです。なにごとも100年続かせるのは、並大抵のことではないですね。
路線沿いは明治や大正の時代には、林業で活況を呈したとのことですが、近年は利用者が減少。しかし、市は路線バスを「なくてはならない地域の財産」として事業者に補助を出し、維持に当たっています。
途中駅のさわらびの湯で、大勢の登山客が降りていきましたが、登山客には公共交通機関でアプローチできる重要な足です。
さて、名郷バス停から登山道を登っていくと、鉱山につき落石注意の看板があります。
尾根を通さず、迂回路を歩くことになりますが、迂回路の上部に到達すると、眼下に採石場跡が見えてきます。
秩父によくある石灰石の採石場です。 武蔵白岩鉱山跡のようで、2015年に閉山したそうです。白岩という地名の示すように、白い岩峰がそびえる山だったんでしょうね。
ほどなくこのルート一番の難所、天狗岩へやってきます。白い石灰岩のゴロゴロと積み重なったような急斜面です。どれが天狗岩なんだろう?と疑問だったのですが、なんかよくわからず...総称して天狗岩、みたいな感じです。天狗岩頂上の看板がついた巨岩が、遠目には、天狗のお顔のように見えなくもない?
海底で堆積した古代の石灰岩が地殻変動によって隆起し、山の中に取り込まれている様と思うと、なんと面白い場所でしょう。
さて、私は名郷から出発し、天狗岩、前武川岳、武川岳と進みましたが、伊豆ヶ岳、正丸峠からアプローチするルート、さらには妻坂峠を経由するルートもあります。
妻坂峠は、畠山重忠の伝説を伝える峠とのことで、鎌倉殿の守備範囲はけっこう広いです。
前武川岳の手前で、私を20~30人の団体さんが追い抜いていきましたので、きっと山頂はいっぱいだろうと思い、前武川岳でお昼を食べました。眺望もない代りに、静かでした。
武川岳の山頂では、三分する登山道を北へたどります。
そして、焼山から二子山へと縦走し、芦ヶ久保駅にくだります。
それなりな登降を繰り返し、けっこうへろへろ。
焼山から見える二子山は、まだまだすごく距離があるようで、歩き続けることが辛く感じられます。
遠い目標に感じる時、私は目標を分割するようにしていますが、みなさんが、ポジティブに考えるようにしていることは何ですか?
二子山への登り返しを頑張って、雄岳に雌岳とすすむと、尾根コースと沢コースに分かれます。どちらも芦ヶ久保駅に至ります。私は、どちらかというと沢コースの方を選びがちなのですが、尾根コースの中ほどに、浅間神社とあるのを見て、興味をそそられます。
今回のトレイルは、全体に眺望のあまりないコースなのですが、浅間神社からは、秩父の山並みが美しく見えました。霞んでなければ富士山みえるんですかね?
撮影日:2024年6月1日(土)
9 июн 2024