海を征く歌（伊藤久男） 

お聴きくださりありがとうございます。戦争の教訓は決して忘れてはいけませんね。

大木惇夫は昭和17年大東亜戦争で、今村均司令長官が蘭印を占領して文化工作を推進した際、文化人部隊の一員として従軍しています。その時の体験をもとにして書かれたのが、詩集「海原にありて歌へる」で、その中の一篇に『戰友別盃の歌』があります。 　　言ふなかれ、君よ、わかれを、　世の常を、また生き死にを、 　　海原のはるけき果てに　今や、はた何をか言はん。 　　熱き血を捧ぐる者の　大いなる胸を叩けよ、 　　滿月を盃にくだきて　暫し、ただ醉ひて勢へよ、 　　わが征くはバタビアの街　君はよくバンドンを突け、 　　この夕べ相離るとも　かがやかし南十字を 　　いつの夜かまた共に見ん、言ふなかれ、君よ、わかれを、 　　見よ、空と水うつところ　黙々と雲は行き雲はゆけるを。 当時、この『戰友別盃の歌』に感動した古関裕而は、大木惇夫に頼んで、この詩の内容を大衆が唱和できる歌謡曲用に書き換えてもらっています。そうして生まれたのが、この伊藤久男の歌う戦時歌謡「海を征く歌」です。この歌は「戦後しばらくしてから、海軍の人々、とくに江田島の兵学校出身者に愛唱され、仲間が集まると合唱していたことを聞いた。」と自伝『鐘よ鳴り響け』（日本図書センター　平成9年）で古関裕而は語っています。

雷撃隊出動の映画を見たことありますがまさかこれがその主題歌ですかね、一式陸攻の藤田進さんは搭乗機のエンジン燃えて敵艦に特攻して雷撃隊の司令官は脇腹に銃弾受けて戦死でしたよ。