笹ヶ峰や杉野沢といった妙高高原周辺を運転していると、猿の群れによく出くわします。
季節や群れによっても遭遇ポイントは違いますが、まあ、よく見るということだけは確かです。
その辺りに生息する三つの群れのリーダーには発信機が付けられており、群れが里に接近すると近隣住民に通知がいくそうです。
そうすることで、畑の作物を守ったり、家への侵入を阻止することができるといいます。
猿を見かけたら、爆竹を鳴らしたりして脅かして、人間を甘く見てはならないということを教えているのです。
それを可哀想と見る方もおられるでしょうが、そうしないともっと不幸なことになってしまうので、仕方がないことなのです。
誰かがあまりにも対応を怠るとそこから猿が侵入してしまうでしょうから、この地区の獣害が減っているということは、地域全体が一体となって行っているのだと思います。
緩衝地帯づくりのための草刈り芝刈りを含め、そのご苦労を思うと頭が下がります。
たまに人間に害を与える傍若無人な猿の姿が報道されることがありますが、それは人間が防衛戦を行わなかった結果、誤学習させてしまい生まれた悲劇なのだと思います。
たった十数年前の杉野沢もそんな状況にあり、農家が大勢廃業したこともあったそうですが、よく持ち直したものです。過疎の苦難の中にあって、それは本当に凄いことだと思います。その志を継ぐ人がいる限り、猿との防衛ラインは杉野沢辺りにあり続けるのでしょう。
しかし、ここで一応お伝えしておいたほうが良いでしょうか。
いくら猿を脅かすことが人間にとって有益に働いているからといって、不必要に猿に干渉しに行くのは何か違うなと思うのです。
人の農作物に被害を与えるからと言って敵視して、何をしても良いという考えにも頷けません。
実際、嬌声を上げて猿を追い回していたりする人をごく稀に見かけるのですが、それは猿のためにやっていることではなく、虐待でしかありません。
国内外併せ不特定多数の方が訪れる観光地ならではの、防止しきれない問題かもしれませんが、眉をひそめるような光景を目にすることもあります。
それは良くないと思うのです。
不必要な虐待をせずとも成果を挙げられることを、杉野沢地区の方々が証明しています。
ほとんどの方は良識を持っておられると思いますが、特に近年、あまりにも常識から逸脱した光景を目にすることがあります。
たとえば、高原の自然の中で虫が出たと言って大騒ぎし、行政に文句を言っている人を見た時は、しばらく信じられない思いで固まってしまいました。
人里に虫や動物が出たと騒ぐのであれば、1000歩譲ってまだ分かりますが、人以外の領分に侵入したうえでなお騒ぐのは、どう考えてもおかしいです。
具体的に書くのは控えますが、そのレベルの光景を目にすることが増えているのです。本当に、こんなことなら観光客なんてあまり来なくても良いと思ってしまうほどに。
猿に緊張感を与えつつ撮影している私も似たようなものなので、人のことを言えたものではないかもしれません。
けれども、一応少し言い訳をしておきますと、
揺れ軽減エフェクトをかけているので分かりづらいかもしれませんが、動物を撮る時は、主にクロップして180mmという望遠画角で撮っています。スマホを基準にすると、だいたい8倍ズームといったところでしょうか。そこからさらに編集でトリミング(ズーム)したりもしています。
つまり、ほとんどのシーンにおいて、結構離れて撮っているのです。
そして、威圧的な雰囲気を出さず、車を降りた時に撮影させてくれそうな子を見極めてもいます。
たまーに凄く近づいても逃げない子がいると、悪いなと思いつつ近寄らせてもらったりもしますが、ほとんどは距離を置いています。
人間が里から猿を追い出しているのですから、人間が動物のエリアに入っている時は特に、お邪魔させてもらっているというつもりでいるのが良いのかなと思います。いくら観光地であっても。
もっとも、そんなことを言っている私も、撮りたいというエゴが強く出て、猿をびっくりさせたり警戒させたりしてしまうこともあるので、客観的に見て悪質な部類に入るのだろうなと思ってもいますが・・・。
もしもこの動画を見て猿を撮りに行きたいと思っていただけたら嬉しいですが、
最後にお互い気をつけましょうというのをお伝えしなければならないと思い、書き添えさせていただきました。
人と動物の幸せな共生のために!
なお、この動画を作るにあたり、RU-vid上に公開されている妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会チャンネルさんの動画や、各種インターネットの記事を参考にさせていただきました。
私の認識に誤りがあるかもしれませんので、興味のある方は是非元動画などをご覧になってください。
また、この作品のBGMは、作曲家Fukagawa様のサイト『wiMu』からダウンロードした
Leisurely-hot-spring
を使用させていただきました。感謝申し上げます。
2024/10/07
10 окт 2024