Тёмный

窪田等 朗読『野ばら』作:小川未明 

【公式】窪田等の世界
Подписаться 198 тыс.
Просмотров 44 тыс.
50% 1

情熱大陸のナレーション・任天堂DSのCMでお馴染みのナレーター・窪田等が、名作小説をプロフェッショナルボイスで朗読します。『走れメロス』『雨ニモマケズ』『注文の多い料理店』など作品多数。作業用、リラックス、聞き流し、睡眠導入・おやすみ前の読み聞かせ、ながら読書などなどに、安定感あるプロの朗読を。文学の勉強、大人のリラックスタイムにも。
窪田等 朗読『野ばら』作:小川未明
読み聞かせ、お休み前のリラックスタイム、睡眠導入…などに大人の心安らぐお時間をお過ごしください。全文は概要欄の下部へ。
【窪田等も講師を務めるザ・ナレーター・アカデミー 2023年4月生募集中!】
ナレーター・窪田等をはじめとした、国内屈指のプロナレーターや現役映像プロデューサー・ディレクター、マネージャーらが、次世代の育成を目的に開講するオンラインレッスン「THE NARRATOR ACADEMY」。
現在、2023年4月開講の第6期生を募集中。
募集締切は3/30までですが、定員に達した場合は期日より前に締め切ります。
表現力のあるボイスにしたい、声の仕事がしたい、アナウンサー・声優などでナレーションのトレーニングをしていきたい方・プロナレーターを目指す方・基礎から学びたい方に。
修了生はオーディション後、仕事に直結する仕組みも。
皆様のご応募をお待ちしています。
▼詳細・お申込みは公式HPから▼
 www.jimpuku.co.jp/tna
▼最新情報は▼
  / narratoracademy
その他、
宮沢賢治『注文の多い料理店』 • 窪田等 朗読『注文の多い料理店』作:宮沢賢治
太宰治『走れメロス』 • 窪田等 朗読『走れメロス』作:太宰治
中原中也 夏目漱石などの朗読もUPしています。
チャンネル登録をしていただくと、定期的に更新のご連絡が入りますので
どうぞよろしくお願いいたします。
情熱大陸のRU-vid 窪田等編
• 情熱大陸ナレーターは自宅で録音中!窪田等【S...
#窪田等
#小川未明
#朗読
#情熱大陸
#大人
#小説
#随筆
#詩
<全文>
 大きな国と、それよりはすこし小さな国とが隣合っていました。当座、その二つの国の間には、なにごとも起こらず平和でありました。
 ここは都から遠い、国境であります。そこには両方の国くら、ただ一人ずつの兵隊が派遣されて、国境を定めた石碑を守っていました。大きな国の兵士は老人でありました。そうして、小さな国の兵士は青年でありました。
 二人は、石碑の建っている右と左に番をしていました。いたってさびしい山でありました。そして、まれにしかその辺を旅する人影は見られなかったのです。
 初め、たがいに顔を知り合わない間は、二人は敵か味方かというような感じがして、ろくろくものもいいませんでしたけれど、いつしか二人は仲よしになってしまいました。二人は、ほかに話をする相手もなく退屈であったからであります。そして、春の日は長く、うららかに、頭の上に照り輝いているからでありました。
 ちょうど、国境のところには、だれが植えたということもなく、一株の野ばらがしげっていました。その花には、朝早くからみつばちが飛んできて集まっていました。その快い羽音が、まだ二人の眠っているうちから、夢心地に耳に聞こえました。
「どれ、もう起きようか。あんなにみつばちがきている。」と、二人は申し合わせたように起きました。そして外へ出ると、はたして、太陽は木のこずえの上に元気よく輝いていました。
 二人は、岩間からわき出る清水で口をすすぎ、顔を洗いにまいりますと、顔を合わせました。
「やあ、おはよう。いい天気でございますな。」
「ほんとうにいい天気です。天気がいいと、気持ちがせいせいします。」
 二人は、そこでこんな立ち話をしました。たがいに、頭を上げて、あたりの景色をながめました。毎日見ている景色でも、新しい感じを見る度に心に与えるものです。
 青年は最初将棋の歩み方を知りませんでした。けれど老人について、それを教わりましてから、このごろはのどかな昼ごろには、二人ふたりは毎日向かい合って将棋を差していました。
 初めのうちは、老人のほうがずっと強くて、駒を落として差していましたが、しまいにはあたりまえに差して、老人が負かされることもありました。
 この青年も、老人も、いたっていい人々でありました。二人とも正直で、しんせつでありました。二人はいっしょうけんめいで、将棋盤の上で争っても、心は打ち解けていました。
「やあ、これは俺の負けかいな。こう逃げつづけでは苦しくてかなわない。ほんとうの戦争だったら、どんなだかしれん。」と、老人はいって、大きな口を開けて笑いました。
 青年は、また勝ちみがあるのでうれしそうな顔つきをして、いっしょうけんめいに目を輝かしながら、相手の王さまを追っていました。
 小鳥はこずえの上で、おもしろそうに唄っていました。白いばらの花からは、よい香りを送ってきました。
 冬は、やはりその国にもあったのです。寒くなると老人は、南の方を恋しがりました。
 その方には、せがれや、孫が住んでいました。
「早く、暇をもらって帰りたいものだ。」と、老人はいいました。
「あなたがお帰りになれば、知らぬ人がかわりにくるでしょう。やはりしんせつな、やさしい人ならいいが、敵、味方というような考えをもった人だと困ります。どうか、もうしばらくいてください。そのうちには、春がきます。」と、青年はいいました。
 やがて冬が去さって、また春となりました。ちょうどそのころ、この二つの国は、なにかの利益問題から、戦争を始めました。そうしますと、これまで毎日、仲むつまじく、暮らしていた二人は、敵、味方の間柄になったのです。それがいかにも、不思議なことに思われました。
「さあ、おまえさんと私は今日から敵どうしになったのだ。私はこんなに老いぼれていても少佐だから、私の首を持ってゆけば、あなたは出世ができる。だから殺してください。」と、老人はいいました。
 これを聞くと、青年は、あきれた顔をして、
「なにをいわれますか。どうして私とあなたとが敵どうしでしょう。私の敵は、ほかになければなりません。戦争はずっと北の方で開かれています。私は、そこへいって戦います。」と、青年はいい残して、去ってしまいました。
 国境には、ただ一人ひとり老人だけが残されました。青年のいなくなった日から、老人は、茫然として日を送りました。野ばらの花が咲いて、みつばちは、日が上がると、暮れるころまで群がっています。いま戦争は、ずっと遠くでしているので、たとえ耳を澄ましても、空をながめても、鉄砲の音も聞こえなければ、黒い煙の影すら見られなかったのであります。老人はその日から、青年の身の上を案じていました。日はこうしてたちました。
 ある日のこと、そこを旅人が通りました。老人は戦争について、どうなったかとたずねました。すると、旅人は、小さな国が負けて、その国の兵士はみなごろしになって、戦争は終わったということを告げました。
 老人は、そんなら青年も死んだのではないかと思いました。そんなことを気にかけながら石碑の礎に腰をかけて、うつむいていますと、いつか知らず、うとうとと居眠りをしました。かなたから、おおぜいの人のくるけはいがしました。見ると、一列の軍隊でありました。そして馬に乗ってそれを指揮するのは、かの青年でありました。その軍隊はきわめて静粛で声ひとつたてません。やがて老人の前を通るときに、青年は黙礼をして、ばらの花をかいだのでありました。
 老人は、なにかものをいおうとすると目がさめました。それはまったく夢であったのです。それから一月ばかりしますと、野ばらが枯れてしまいました。その年の秋、老人は南の方へ暇をもらって帰りました。

Опубликовано:

 

4 июл 2020

Поделиться:

Ссылка:

Скачать:

Готовим ссылку...

Добавить в:

Мой плейлист
Посмотреть позже
Комментарии : 36   
@user-zr9di6or9l
@user-zr9di6or9l 2 года назад
ウクライナに思いを馳せながら聴きました。切なくて、心が震えました。
@tatsuyayamamoto2962
@tatsuyayamamoto2962 4 года назад
のんびりコーヒー飲みながら窪田さんの朗読を聞くのが、最高のリラックスタイム
@tkms6447
@tkms6447 2 года назад
今のウクライナ情勢と重なる部分があると思いました…。命を奪い合う戦争は誰も幸せにならない。
@user-th8vo8ve7j
@user-th8vo8ve7j 4 года назад
ほんの一瞬、野ばらが香りました。遥か遠い世界の二人に想いを馳せてしまいました。素敵な時間をありがとうございました。
@charliecocco8598
@charliecocco8598 2 года назад
心地よい声だからこのまま眠れそうと思うけど、この優しい声をずっと聞きたくて、聞き入ってしまう。おはなしにもイメージができて楽しい。
@grubella2513
@grubella2513 4 года назад
今、60歳。最初に読んだのは10歳の頃でその時も切ない話だ感じたのを思い出しました。今はもっと切なく悲しいです。きれいな文章をきれいなお声で読んでいただきありがたいです。
@sjglhg7580
@sjglhg7580 4 года назад
聴きながら寝ようと思うんだけど、話に引き込まれて結局最後まで聞き入っちゃうんだよなあ。
@user-yl4er7eh3yxxx
@user-yl4er7eh3yxxx 4 года назад
窪田さんのおかけで、とても素敵なお話に出会えました。
@user-xo7di3qf3q
@user-xo7di3qf3q 3 года назад
涙出てきました。
@attomatto17
@attomatto17 4 года назад
なんとも切ないお話
@user-ul4zf8qj8v
@user-ul4zf8qj8v 3 года назад
小学校の教科書の題材だったんです。
@user-je2pj8kc7l
@user-je2pj8kc7l 2 года назад
あーうれしー♡
@noritana3322
@noritana3322 4 года назад
ほんの数秒で、心に平穏が訪れる朗読をありがとうございます。
@tuftytufty
@tuftytufty 4 года назад
朗読終わってから「お相手は…」の間もう数秒だけ長いともっと余韻に浸れるんだけどな…
@user-qc3vl3jd1l
@user-qc3vl3jd1l Год назад
心に響く声が、心に沁みました。こんな朗読が何故出来るのでしょうか?
@koyodaire8811
@koyodaire8811 4 года назад
さすがはプロですね。聞き心地がよくて話に引き込まれます。
@user-pn5su4zr3s
@user-pn5su4zr3s 4 года назад
小川未明さんは
@xy7533
@xy7533 3 года назад
のどのケア どうすれば良い声がでますか?
@user-xl4re8vr2k
@user-xl4re8vr2k 4 года назад
穏やかに聴けました。いつもありがとうございます
@MIDN0201
@MIDN0201 Год назад
小川未明を好きだと思ったきっかけの物語です。窪田さんの声で聞けるなんて、とても幸せです。
Далее
ФОКУС С БАНАНОМ🍌
00:32
Просмотров 370 тыс.
『狐』作:新美南吉 朗読:窪田等
24:51
窪田等 朗読『鼻』作・芥川龍之介
22:46
Просмотров 90 тыс.