[第二章＿第一話] [スライム vs 小豆あらい]幻獣, 妖怪, バトル, ストーリー, 歌, アニメーション, 伝説のクリーチャー, ファンタジー, 戦い  

第2章　第一話　スライム対あずきあらい
　幻獣国イマジナルでは、カーバンクルの失踪の原因が妖魔国ミキによるものだという噂が広まりました。
　また、妖魔国ミキでも同様に座敷わらしが幻獣国イマジナルに捕らわれているとの噂が広がりました。両惑星はこの疑惑を否定しましたが、両惑星間の緊張が一気に激化しました。　
　このままでは全面戦争に発展する恐れがあったため、両国は古くからの決まり事に従い、解決を試みることにしました。
　両国は平和に共存していましたが、時折起こる小競り合いを避けるため、昔からの決まり事がありました。
　それは、両国で問題が発生したときには、それぞれの星が代表者5人を選出し、それぞれの代表者5人が、1体1の決闘を行い、負けた方の惑星は、勝った方の惑星の意見に従うというものでした。
幻怪大戦 初戦
登場キャラクター
スライム：沼地に住む透明な体を持つ生物。柔軟でどんな形にも変化できる。
あずきあらい：夜な夜な小豆を洗う音で人々を驚かせる妖怪。力は強いが、柔らかいものには苦手意識がある。
トーナメントの幕開け
あずきあらいは、座敷わらしのため自ら志願してトーナメントに参戦した。
座敷わらしは大切な友達だ。
あずきあらいの能力は小豆を洗うこと、つまり働く能力であり戦う能力ではない。それゆえ、弱い妖怪であるとからかわれることが多い。妖怪の世界は強さが称えられる。そんなあずきあらいの能力を座敷わらしは素敵な能力であるとほめてくれた。
「初戦の相手は…スライムですか。」あずきあらいは対戦表を見ながらつぶやいた。
トーナメント会場には妖怪たちの歓声が響き渡り、熱気に包まれていた。あずきあらいが闘技場に立つと、対面にはすでにスライムが待ち構えていた。
「ふん、お前が相手か。楽しませてくれよ。」と言ってスライムは楽しそうに飛び跳ねた。
「君もね。僕は勝つためにここに来た。」あずきあらいは自信満々に応じたが、こころは穏やかではなかった。あずきあらいは小豆を洗うことが日課なので力が強く持久力もある。しかし、新鮮な硬い豆を洗い続けているうちに、時折混じっている腐って柔らかくなった豆が大嫌いになった。
　その柔らかい豆を想像させることから柔らかいもの全般が苦手になっていた。
審判の合図とともに、スライムは瞬時にその形を変え、攻撃を仕掛けてきた。柔軟な体を活かして、あらゆる方向からあずきあらいに襲いかかる。
「こんな攻撃、効くものか！」あずきあらいは強力な腕でスライムを振り払おうとするが、スライムの体は簡単には引き裂けない。
「どうした？その程度か？」スライムは挑発的に笑う。
あずきあらいは焦りを感じ始めた。スライムの柔らかい体がどうにも扱いづらく、攻撃が効果を発揮しない。しかし、彼は諦めなかった。冷静になってスライムの動きを観察し始めた。
「必ず弱点があるはずだ…あるはずなんだ。」あずきあらいは集中力を高め、スライムの体内に微かに光る核を見つけた。
「見つけた…大きさは、ふふ、小豆程度ですね。得意な大きさです。」
あずきあらいはスライムの攻撃をたくさん受けていた。スライムの体当たりと溶解液で、すでに体はぼろぼろであったが、核に近づくチャンスを伺っていた。
必殺「カラフルプレス！！」スライムが再び跳びかかってきた瞬間、あずきあらいは素早くいた。
奥義「一点集中異物排除！！」スライムの体に手を差し込んで核を掴んだ。
「これで終わりだ！」あずきあらいが力強く核を抜き取ると、スライムの体は崩れ去り、地面に広がっていった。
「やったぞ…！」あずきあらいは息を整え、歓声の中で拳を突き上げた。
　戦いは終始スライムが優勢であった。その調子の良さに気を許してしまったのが敗因かもしれない。
　まさに、好事魔多しである。
「好事魔多し」（こうじまおおし）
良いことがある時ほど、邪魔が入りやすいという意味です。幸運な時ほど注意が必要で、油断するとトラブルが起こることを示唆しています。
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[音楽]　sunoai
[画像]　leonard ai