箏曲《千鳥の曲》 Sōkyoku ''Chidori no Kyoku'' 

2011年2月14日求道会館で開催致しました「第52回 藤本昭子地歌ライブ」より、箏曲《千鳥の曲》(歌・箏：藤本昭子、胡弓：高橋翠秋）。
Akiko Fujimoto (voice, koto), Suishū Takahashi (kokyū) play Sōkyoku "Chidori no Kyoku" at Kyūdō Kaikan, 14 February 2011.
　《千鳥の曲》は、吉沢検校が検校に登官する前の勾当時代に胡弓曲として作曲したと伝えられ、検校の出身地名古屋では、今でも胡弓との合奏が多いと聞きます。名古屋出身の祖母はこの曲が大好きで、私も小さい頃から祖母と横井みつゑ先生の合奏を聴いて育ちました。
　祖母は89歳で大腿骨を骨折し、リハビリで一度は座れるようになりましたが、反対側の大腿骨も骨折してしまいました。もう立つのも座るのも無理と言われながら、不屈の精神で再度座れるようになりました。晩年は舞台で演奏することは叶いませんでしたが、在宅介護のベッドの横にお箏を運んでこの曲を弾くと、大きな声で歌ってくれたものです。それ程、祖母とは切っても切れない思い出の曲です。