4年ぶりに通常規模で開催された福島県の「須賀川市釈迦堂川花火大会」 天気にも恵まれ、約1万発の夜空を彩る花火に多くの人が魅了された。そうした中、来場者の安全を守るため警備に奮闘した須賀川警察署の一日に密着した。
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<総勢140人の警察官が警備>
2023年8月26日、花火大会スタートまで約4時間半。この時、須賀川警察署では花火大会の警備に向けた集結式が開かれていた。須賀川警察署の赤松正広署長は「関係機関等との連携を密にし、組織的な対応を取り、今回の花火大会が事故無く、事件無く、成功裏に終わるよう全力を尽くしていただきたい」とあいさつ。
警察にとっても4年ぶりの花火大会を、総勢140人の警察官が警備にあたる。
<雑踏警備のスペシャリストも駆けつける>
「事前の訓練などよく実施しながら、現場での当日における各種疑問等なく、計画通り警備ができるように、事前対策を進めてきた所であります」と話すのは福島県警察本部から応援に駆け付けた高宮優指導官。
高宮指導官は「東北絆まつり」など、これまでいくつもの警備を担当してきた雑踏警備のスペシャリストだ。
「お客さんに必要な情報・正確な情報を早め早めに広報していくことが、雑踏警備の未然防止に非常に役立つ」と高宮優指導官は話す。
<トラブルや観客の体調にも目配せ>
10万人の人出が予想される花火大会。高宮指導官は、須賀川駅の周辺や会場までの道路などに目を光らせる。会場近くでトラブルの原因となるのが、歩行者用の通路や緊急車両が通行するための道路など観覧禁止エリアの場所取り。警察官が丁寧に説明してすみやかな移動を求めた。
また、見物客の体調不良にも目配せが必要。この日の最高気温は、隣の郡山市で34.9℃。この日は約10件の救急要請あり、熱中症とみられる症状を訴えた9歳の女の子が病院に運ばれた。
<多くの見物客が1万発の花火を楽しむ>
午後7時。4年ぶりの花火大会が始まった。花火大会見物には絶好のロケーションにある「ニラク須賀川店」では、臨時休業して駐車場を無料開放。たくさんの見物客が約1万発の花火を楽しんだ。現物客は「来たのは午前11時半。4年ぶりだと全然違う。我慢していたぶん、ありがたい」「4年前も友達と見たので、またきれいな花火を見られて嬉しかった」と話した。
<花火が始まると…落とし物の相談が増加>
花火大会が始まっても警備本部は落ち着くことはない。この時間になって多くなるのが。落とし物などの相談。バッグをなくしたという男の子、警備本部に届いていて一安心の様子。この日の落とし物の届け出件数は、約30件に上った。
<花火も終盤…群衆雪崩を警戒>
午後8時。花火大会の終了が近づいてきた。しかし、雑踏警備の本番はここから。見物客が一斉に帰宅するため「群衆雪崩」への警戒が必要になる。須賀川駅前ではDJポリスが登場。須賀川駅では特設の通路が設置されたり、上り線と下り線で改札口を分けるなどの対策がとられた。その甲斐あって、混雑はしているものの大きな混乱は起きなかった。
しかし、気を抜くことはできない。駅前では、痴漢騒ぎや喧嘩などトラブルが相次ぎ警察官が対応に追われた。
<大きなトラブルなく終了>
午後11時。ようやくほとんどの来場者の帰宅を確認でき、大きなトラブルはなくこの日の警備は終了した。
DJポリス・大宮宏紀さんは「須賀川の皆さんの地元を愛する気持ちがあって、花火大会を大事にしていることが伝わってきた。それで警察にも協力していただいているなと、すごく感じた」と話す。
須賀川警察署の影山恵理子雑踏警備班長は「4年ぶりで釈迦堂川花火大会の雑踏警備に着いたことが無い警察官・久しぶりに経験する警察官だったので、若干まごついた部分があったのかと思うが、全体的には順調に・スムーズにできたと思う」と総括。
4年ぶりとなった須賀川市釈迦堂川の花火大会は、たくさんの人の協力のもと満開の笑顔で幕を下ろした。
17 сен 2024