観光列車として活躍した蒸気機関車・５８６５４号機のＪＲ九州として最後の見学会が福岡の小倉総合車両センターで開かれました。これまで過ごした熊本車両センターに別れを告げ、福岡へ旅立つＳＬに密着しました。
【堂前 泉紀記者】
「蒸気機関車・５８６５４号機がいま車庫から出てきました。これが熊本車両センターでは最後の姿となります」
１日、熊本市西区の熊本車両センターで車庫から出てきたＪＲ九州の蒸気機関車・
５８６５４号機。
１９２２年、大正１１年製造で、『ハチロク』の愛称で親しまれ、ＪＲ九州の観光列車『ＳＬあそＢＯＹ』や『ＳＬ人吉』として延べ９０万人以上を乗せて走ってきました。しかし、製造から１００年を超え、車体の老朽化や技術者不足などから、ことし３月、現役を引退し、その火を消しました。
５８６５４号機はＪＲ九州から人吉市に譲渡される予定で、福岡で開かれるＪＲ九州最後の見学会に向けて、２日午前１時半ごろ、熊本駅のホームへやって来ました。
『ＳＬ人吉』のときの相棒、ディーゼル機関車が、乗客が誰もいないホームで大きく汽笛を上げると、５８６５４号機を連れて熊本を後にしました。
【岡崎 宣彰記者】
「こちらは小倉総合車両センターです。５８６５４号機の最後の姿を一目見ようと多くのファンが駆けつけています」
２日午前に開かれたＪＲ九州最後の見学会にはおよそ２０人が訪れ、その姿を写真に収めるなどしていました。
【福岡からの参加者】
「とても感動している。今回、間近でＳＬを見られてうれしい」
【八代市からの参加者】
「沿線で育ってきたので、最後に見送りたい気持ちといままでご苦労さまと１０年後、肥薩線が戻ってきたときに一緒に走ろうぜという気持ちで見送りに来た」
【熊本市からの参加者】
「自分の中では不死鳥だと思っている。必ずまた本線を走る姿が見られると信じて、人吉に移っても清掃など参加して見守りたい」
人吉市によりますと、今後、５８６５４号機は分解され、人吉市に輸送・設置される
予定ということです。
人吉市は、５８６５４号機が１０２歳の誕生日を迎える１１月１８日に公開したい考えで、分解から輸送・設置までの一連の流れも、観光ツアーとして企画しています。
2 сен 2024
