蝶の舞う小さな庭 バタフライガーデンです。
6月の初旬。夏花が咲き始め、ガーデン・カフェも本格オープン。
早速、蝶たちが窓、目の前にやってきて、吸蜜してくれています。
今回は、初夏の庭の様子と共に、
育てている食草や吸蜜植物をご紹介しながら、
蝶を呼ぶアイディアや、
バタフライ・ガーデンライフの楽しみ方をお伝えします。
庭自体がテーマの動画は初めての試みです。
「生き物たちに居心地のいい空間にするには、
どんな条件や環境が必要なんだろう?」
そんな想いで試行錯誤を続けていますが、
バタフライガーデンに興味がある、蝶を呼べる庭を作ってみたい、
という方に参考になれば嬉しいです。
まずは、庭全景のご紹介です。
東側から眺めると、南側と西側をお隣の住宅に、
北側を自宅に囲まれた、車2台分ほどの駐車スペースです。
決して広いわけでも、近くに山林があるわけでもないのですが、
年間100種を超える生き物たちが集い、暮らす庭になりました。
今回は、蝶を呼ぶのに効果的と考えられる環境・要素を5つ、
ご紹介します。
① 卵を産み、幼虫が食べる食草、
② 安全に、ゆっくりと休められる木陰や隠れ家
③ 蝶が好む花、吸蜜植物
④ 植物が育ち、日向ぼっこするための日当たり、
⑤ 飛び回り、通り道となる蝶道、開けた空間です。
庭と虫たちをご紹介しながら、この5つを説明していきます。
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① 卵を産み、幼虫が食べる食草
まず、画面左側が南側で食草ゾーンです。
食草は、蝶が卵を産みに来てくれると同時に、
幼虫が元気よく育ち、羽化して飛び立っていくことを
期待して植えています。
食草の鉢をご紹介していきます。
まず、こちらはコナラ(ムラサキシジミ)です。
鉢の根元には、びっしりとスミレ(ツマグロヒョウモン)
の葉が茂っています。
植木鉢の根元に低めの食草を植えると、
限られた場所を有効活用できます。
こちらは、エノキの若木(ゴマダラチョウ)です。
その根元には、アシタバ(キアゲハ)の鉢を置いています。
隣は、キハダの若木(アゲハ)とルー(アゲハ)を並べています。
この木は、5月に花を咲かせるネズミモチ。
蝶の食草ではありませんが、ハラビロカマキリの卵が
誕生の瞬間を待っています。
② 安全に、ゆっくりと休められる木陰や隠れ家
庭の奥は、背丈の高い食草を中心とした木陰ゾーンです。
この巨大な葉で覆われたツリーはウマノスズクサ(ジャコウアゲハ)。
奥にはアシタバ(キアゲハ)の葉、
クスの木(アオスジアゲハ)が並びます。
フジ(ウラギンシジミ)の木陰では、
クロアゲハ、ジャノメチョウ、ハグロトンボが休んでくれます。
手前下段ではハギ(キチョウ、ウラナミシジミ)が
葉を伸ばしつつあります。
ミカン科のハッサクは、アゲハの大切な食料源です。
アマガエルやカマキリは、高さのある樹を好みます。
例え鉢植えであっても、樹木があれば、
庭に立体的な空間が産まれ、生き物の幅がグッと広がるんです。
花壇には、吸蜜源となるハナトラノオ、リアトリス等を植えています。
夏の終わりから秋にかけて咲き、
ホウジャクが毎日来てくれる吸蜜ゾーンになります。
葉が生い茂るので、コオロギやバッタの隠れ家に最適な場所に。
秋には、心地いい音色を聞かせてくれます。
庭の中心は小さな畑で、紫蘇を植えています。
まだ芽吹いて間もないですが
夏には腰の高さまで成長し、「紫蘇の森」と呼ぶまでに成長します。
こぼれ種で毎年ほぼ勝手に増えて、オンブバッタの食草になり、
バッタを食べるカマキリやカナヘビが集まり、住まう
一大居住区になるんです。
昨年はハラビロカマキリとオオカマキリ、オンブバッタが同居する、
不思議な空間になっていました。
もちろん、新鮮な葉っぱをちぎって食べれば、
美味しい紫蘇の葉、そのものです。
③ 蝶が好む花、吸蜜植物
北側が吸蜜植物ゾーン、蝶呼ぶ花のエリアです。
初夏に咲き始める夏花、ランタナとジニアを
日当たりのよい窓辺に置いています。
ブロックなどを使って鉢に段階的な高さを設けると、
日当たりが確保でき、花壇を立体的に見せられます。
吸蜜植物を選ぶ際には、ワンシーズンで枯れてしまう1年草ではなく、
多年草や宿根草が何年も花を咲かせてくれます。
その代表格がブッドレアとサンジャクバーベナで、
従前より植えていたのですが…
近年になって、環境省の生態系被害防止外来種リストに加えられ、
繁殖力や影響が問題視されています。
この庭では広がらないように、こぼれ種となる枯れた花を摘む、
植木鉢以外で発芽したら摘み取るなどの管理をしています。
そして、呼びたい蝶の好きな食草と吸蜜植物を揃えてあげてください。
アゲハならミカン科、キアゲハならセリ科など、
蝶の食草には組合せがあります。
この庭では、植物の種類を増やす程に、
やってくる虫たちが増えていきました。
ガーデンを作りながら気づいたのですが、
鉢植えでも十分、蝶を呼べるんです。
地植えの方が株は大きく育ちますが、
場所が問題で移動もできないのが悩みどころ。
一方の鉢植えは、ベランダでも、駐車スペースでも
気軽にできるのがメリットです。
でも、幼虫たちの食欲は旺盛なので、
時に葉っぱがなくなってしまうことも…
そんな時は、食草に洗濯ネットをかけるなどして、
卵を産むタイミングにON-OFFをつけてあげると
食草問題を予防できます。
④ 植物が育ち、蝶が日向ぼっこする日当たり
日当たりは、蝶が飛ぶうえでも、植物が育つためにも必須要素。
1日中、ずっと日が当たればよいのですが、
この庭も、前後左右を家に囲まれているため、冬場はほぼ日陰。
窓側でも半日、東側が唯一、長めに陽が当たるエリアです。
そこで効果を発揮するのが、持ち運びできる
「鉢植え」であることなんです。
冬場、庭の東側に植木鉢を集めて日に当てています。
1日中、日の当たる場所であることを生かして、
休眠中の夏花や仕入れたばかりの苗木を置いて生長させているんです。
冬場に陽が当たると花付きが良くなり、芽吹きも促進されます。
そして、夏本番になって花が咲いたら、
鉢ごと、窓の前に移動するのです。
⑤ 飛び回り、通り道となる蝶道、開けた空間
隙間なく枝が茂っている森の中をあまり蝶が飛ばないように、
蝶の通り道となる、開けた空間が必要です。
鉢に水を撒いたり、枯れた花を摘んだり、枝を剪定したりと、
植物を手入れするために、人が通れるだけの場所は必要。
そんなスペースが、そのまま蝶道となってくれます。
雑草を抜いていると、蝶が目の前に遊びに来てくれることも。
この子は、目の前で卵を産んでくれました。
「バタフライガーデンをもう一段、楽しむ方法」
せっかく、バタフライガーデンを作るんだったら、
部屋の中から蝶たちを、間近に眺めてみたいと思いませんか?
窓際にカウンターを置けば、コーヒーを飲みながら、
蝶がやってくるのを待つ、贅沢な時間を楽しめます。
部屋の中から蝶たちを観察できる配置にすることが
ポイントのひとつです。
窓の手前には、背丈が低めの吸蜜植物を、奥側に食草を配置し、
庭が見渡せるようにします。
庭の壁側に高さのある食草を配置しているのも、
中央の空間を広く確保することで、
部屋から眺められるようにするためでもあります。
庭をライトアップすれば、夜の庭も楽しめます。
高性能ながらコスパのいいソーラー・ランタンも増えています。
外で一杯飲みながら、スズメガやヤモリ、カエルやカマキリなど、
夜も活動する生き物たちの姿を観察します。
ナイトツアーと銘打って庭を一周すると、
昼とはまた違う生き物たちの姿に出会えます。
朝日が昇り、気温が上がって、陽が傾いて、暗くなって…
時間の経過と共に、やってくる生き物たちは変わります。
四季の移り変わりと共に、イキイキと活動し、
住まう虫たちも変わります。
そして、多様な植物を植えるほどに虫たちが集まり、
虫たちの種類が増えるほど、食物連鎖の上位種がやってきて、
ひとつの生態系のようになっていきます。
こんなにも可愛らしいシジュウカラも、
虫たちにとっては脅威となる天敵です。
春を待つナミアゲハの越冬サナギでした。
命のやり取りを間近でみて胸痛みますが、
これが自然なのだと…
ひとつの輪になって、繋がっているんだ、と気づかされます。
この庭に屋根はなく、いつだって空は開かれているのに、
どうしてか、この庭に住み着いてくれる虫たち…
「今」を懸命に生きる、彼らの尊さを感じながら、
敬意を込めて、こう呼んでいます。
愛しい庭の住人たち。
彼らが選んでくれたことに恥じないような、
居心地のいい場所でありたい。
皆さんも蝶を呼ぶ庭を手づくりしながら、
虫たちと暮らし、生きる生活、
バタフライガーデン・ライフを送ってみませんか?
~友情出演してくれた住人たち~
ツマグロヒョウモン
アマガエル(カエルさん)
ナミアゲハ
ベニシジミ
アオスジアゲハ
ハラビロカマキリ(ハラビロちゃん)
オオスカシバ
ハグロトンボ
ナミアゲハいも
クロアゲハ
ヒメジャノメ
オオカマキリ
ホシホウジャク
ツヅレサセコオロギ
オンブバッタ(オンブちゃん)
ヤマトシジミ
キタテハ
ヒメアカタテハ
ムラサキシジミ
アオスジアゲハいも
ルリタテハいも
イチモンジセセリ
モンシロチョウ
ブドウスズメ
チャバネセセリ
トウキョウヒメハンミョウ
カマドウマ
ヤモリ
ウラナミシジミ
クビキリギス
ツバメ
シジュウカラ
キアゲハいも
ハナムグリ
アキアカネ
ご視聴、ありがとうございました。
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5 сен 2024