”都々逸漫談”
収録は不詳、
1967昭和42年12月19日放送。
1ヶ月後に亡くなってしまいました。
テープには、
「最後の放送か」
という添え書きがあります。
初代 柳家三亀松
こうした当意即妙の即席芸の
名人として極致を示した人の。
その最晩年の資料として、
ここに遺します。
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初代・柳家 三亀松（やなぎや みきまつ）
三味線漫談家
1901年（明治34年）～1968年（昭和43年）
1901年（明治34年）、東京・深川の木場に生まれる。
本名は、伊藤 亀太郎（いとう かめたろう）。
生家は芸事好きで、幼少の頃から都々逸、長唄、小唄、新内節、清元節等の修行をする。
小学校卒業後は家業の材木商を手伝ったり、材木問屋に奉公に出たりしたが、十代の後半に流しに出るようになる。
1918年（大正7年）、幇間の桜川梅平に入門し、桜川木場平と称して幇間となる。
その後、寿五六、揚羽家二三平などを名乗り、深川、赤坂、芝浦などを転々したが長続きせず、本格的に流しになる。1923年（大正12年）、関東大震災で仕事が減り、天狗連の芸人となる。
憧れであった太神楽芸人の湊家小亀に因んで湊家亀松と名乗り、寄席に出演するようになる。
1925年（大正14年）、初代柳家三語楼の門下となり、柳家三亀松と名乗る。
以降は艶笑風の歌謡漫談で人気を獲得し、なかでも「新婚熱海の一夜」は発禁処分になり話題となった。
1928年（昭和3年）に吉本興業の専属となってからは阪東妻三郎や大河内傳次郎の形態模写を取り入れた映画漫談やお色気の音曲漫談等を始める。
特にお色気の音曲漫談では『アハァーん』や『イヤァーん』などの女性の鼻の掛かった名文句で売り出す。
余りに過激すぎて寄席で禁止令が出るほどだった。
また、1934年（昭和9年）8月よりSPレコードの検閲が始まり、三亀松のレコードも多くが発禁処分となった。
発禁を逃れるために芸名を変えてレコードを販売するなどした時期もあり、実に31枚のレコードが発禁となった。
こうして三亀松は東京のみならず上方でも評判をとり、柳家金語楼と並ぶ東京吉本の大看板となった。
サラリーマンの初任給が帝大卒で6,70円という時代に、三亀松は500円から700円の月給をもらっていたという。
戦時中は吉本興業の慰問団わらわし隊にも参加した。
戦後は発禁も解禁され、テレビや寄席で活躍。
また、東京演芸協会、東京ボーイズ協会の会長をつとめるなど昭和期演芸界の第一人者として貢献した。
1965年（昭和40年）、これまでの活躍が認められ、芸術祭奨励賞を受賞。
1967年（昭和42年）11月、体調不良を訴え病院に行ったところ、胃癌が発覚し入院。
本人には胃潰瘍と伝えられ手術を受けるも、癌はすでに数箇所に転移しており手遅れであった。
1968年（昭和43年）1月20日、胃癌のため死去。享年66。
後に落語家の立川談志が、
三亀松の通夜はこれぞ芸人という賑やかなもので花札の博打も行われたと回想している。
出典：有名人の墓巡り～昭和の著名人と出会う旅～
10 июл 2020
