ハイタイ！今回は「旧 崇元寺第一門」をご紹介します。崇元寺とは、那覇市泊にあった臨済宗のお寺を指します。歴代の琉球国王（舜天〜尚泰王）の霊位を祀った国廟であり、琉球史を語る上でとても重要な場所なのです。
琉球王朝時代、冊封使は崇元寺で先王の霊位を祀る儀式「先王諭祭」を行い、そのあと首里城へ登城したと言われています。崇元寺は、首里城と深い関係があるんですね。
そんな崇元寺ですが、今はお寺そのものを見ることはできません。沖縄戦により、木造建築は全て焼失してしまいました。しかし、アーチ型の石門や東側にある崇元寺下馬碑など、戦火を免れた貴重な史跡は今なお残っています（戦争で損傷は受けましたが、戦後、修復が行われました）。
崇元寺の創建については明らかではありませんが、東側にある崇元寺下馬碑には「1527年7月25日」の表記があります。これは、第二尚氏王統 第4代国王・尚清が即位した年にあたるため、おそらく崇元寺はそれ以前から建てられていたのではないかと考えられます。
アーチ型の石門をくぐると、広場の真ん中に歩道を発見。発掘調査の資料によると、ここは国王・世子・冊封使専用の歩道だったと言われています。何だか、首里城の「浮道」とよく似ていますね。動画の中でも紹介していますので、チェックしてみてください。
歩道の先には階段が設けられ、その先には青々とした芝生が広がっています。ここにかつて、前堂（先王諭祭のあと、宴が行われていた場所）がありました。現在は「崇元寺公園」として、地域の子供達や大人の憩いの場として親しまれています。私が撮影した日は、子供たちが楽しそうに凧揚げをして遊んでいました。そして、その子供たちの姿を見守るように立つ大きなガジュマルの木。樹齢は定かではありませんが、おそらく戦前からこの場所で生きているのではないかと思います。
前堂・正廟は沖縄戦で焼失し、戦後はアメリカ軍の兵舎や琉米文化会館が建てられるなど、複雑な歴史を歩んできた崇元寺。そんな切なさを抱えながらも、美しい姿で佇む石門を見たとき、私の目から涙がこぼれてきました。「この歴史を知ってほしい」「世界中の視聴者さんへ伝えたい」そんな想いで撮影した動画です。
崇元寺へ行ったあと首里城へ。かつての冊封使のように、同じルートで足を運んでみてください！
※こちらの動画は、那覇市文化財課の許可を得て撮影を行っています。
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7 сен 2024
