The Love Suicides at Sonezaki (曾根崎心中, Sonezaki Shinjū) is a love-suicide Bunraku play by Chikamatsu Monzaemon.
This story, based on an actual incident, was performed as a ningyo joruri (puppet play) a month after the incident. In the early morning of April 7, Genroku 16 (May 22, 1703), a female prostitute named Hatsu (real name Tae, age 21) and Tokubei (age 25), a salesclerk of Hiranoya, a soy sauce merchant, suicided together in the forest of the Shrine in Sonezaki Village. After this incident, the shrine was called Ohatsu Tenjin.
日本人なら名前だけは知っている、近松門左衛門の『曽根崎心中』を、#やさしい日本語 #EasyJapanese でリライトしました。
この作品以前は、武士が物語の中心でした。この作品で、初めて町人が物語の主人公になります。以降『世話物』というジャンルが確立され、町人の物語が多く作られるようになります。
『曽根崎心中』は、実際に起こった事件をもとにしています。元禄16年4月7日（1703年5月22日）早朝に大坂堂島新地天満屋の女郎「はつ（本名妙、21歳）」と内本町醤油商平野屋の手代である「徳兵衛（25歳）」が西成郡曾根崎村の露天神の森で情死しました。人形浄瑠璃の演目として上演されたのは、それからわずか一か月後でした。
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スクリプト（動画の字幕と完全に一致するものではありません）－－－－－
大阪の醤油屋の手代、徳兵衛は25歳。天満屋のお初は、21歳。二人は、恋人でした。まじめな徳兵衛と遊女の関係は、ひそかに大阪中の噂になっていました。
醤油屋の主人は、それが気に入りませんでした。妻の姪と徳兵衛が結婚したらいいと思っていましたから、こっそり徳兵衛の継母と相談して、先に結納金を渡してしまいました。
徳兵衛はそれを知って、困りました。
「私は恋人がいます。天満屋の、お初です。だから、奥様の姪御さんとは結婚できません」
醤油屋の主人は激怒しました。
「私の妻の姪より、遊女を選ぶ男を、これ以上この店で働かせるわけにはいかない。この結婚を断るなら、おまえの継母にあげた結納金を今すぐ私に返せ。二度と大阪で働くことができないようにしてやる」
「わかりました。私は今から継母のところへ行って、結納金を返してもらいます」
徳兵衛は継母の家へ行って、なんとか結納金を返してもらいました。しかし、醤油屋の主人にそれを返す前に、友達の九平次が来て言いました。
「徳兵衛、ちょっと金を貸してくれ。明日か明後日には金が入るから、三日後には絶対に返すことができる。でも今日必要なんだ。今日金がないと、俺はヤバいことになる」
九平次が必要な金額は、結納金と同じ額でした。
九平次がしつこく頼みますから、徳兵衛はしかたなく、九平次に借用書を書かせて、金を貸しました。
しかし九平次は三日たっても、金を返しに来ませんでした。
徳兵衛は大きな神社で、お初に会いました。
「徳さん！」
「お初、どうしてここに？」
「田舎から来たお客さんと、観音巡りをしているの。お客さんは、ほら、今あそこで見物しているわ。
それより、ねえ徳さん、どうして最近会いに来てくれないの。私は寂しくて死んでしまうわ」
「ごめん、お初。いろいろあって、大変だったんだよ」
徳兵衛はお初に、今までのことを説明しました。
徳兵衛の説明が終わったとき、九平治の声が聞こえました。九平次が友達といっしょに神社へ来たのです。徳兵衛は急いで近づいて、言いました。
「おい、九平次。今すぐ金を返してくれ。三日後に返すと約束したじゃないか。
私はあの金を、明日までに主人に返さなければならないんだ」
「はぁ？ 俺はお前に金を借りた覚えはない」
九平次が言いました。徳兵衛はびっくりしました。
「何を言っている。ここに借用書もある。よく見ろ、おまえの字だ、おまえの判子だ」
徳兵衛が懐から借用書を出して見せると、九平次はニヤニヤ笑いながら言いました。
「俺の判子は、五日前に盗まれた。役所に届けて、新しい判子も作った。泥棒はお前だったか、徳兵衛」
「よくも、よくもそんなことが言えるな九平次！」
徳兵衛が言うと、九平次はもっと大きい声でみんなに聞こえるように言いました。
「みなさん、この男は泥棒ですよ！ 私の判子を盗んで、偽の借用書を作って、私から大金を奪うつもりだ」
九平次は先に役所に届を出しておいて、それから徳兵衛に借用書を書いたのです。全部、徳兵衛から金をだまし取るための罠でした。
九平次の仲間が、徳兵衛を殴ったり蹴ったりし始めました。
お初が悲鳴を上げました。しかし、お客さんがお初を止めました。
「行きましょう。私は大阪見物のために金を払ったんですからね。面倒はごめんですよ」
お初は徳兵衛のことが心配でしたが、お客さんに連れて行かれてしまいました。
天満屋へ帰ったお初のところへ、他の遊女が来て言いました。「お初さん、聞いた？ 徳兵衛さんと九平次が喧嘩したって。徳兵衛さん、ひどい怪我をしたと聞いたわよ」
「あら、私は死んだと聞いたわ」
お初は、心配で心配でたまりませんでした。
ふと外を見ると、裏口に男が立っていました。
(徳さん…！)お初はこっそり裏口へ行きました。その男は、やはり徳兵衛でした。
「徳さん、心配したわ。大丈夫だったの？ ねえ、だれかに見られるかもしれない。はやく縁の下に隠れて」
徳兵衛は慌てて縁の下に隠れました。ちょうどその時、表から九平次が来ました。
「お初はいるか？ おい、お初、徳兵衛は泥棒だ。あいつはもうおしまいだぞ。これからは俺がおまえの世話をしてやる。金ならたくさんあるからな」
九平次は重そうに膨らんでいる懐を見せました。徳兵衛から騙し取った金です。縁の下で、徳兵衛は怒りに震えました。
お初は縁の下の徳兵衛を足で押さえながら、九平治を睨んで言いました。
「あなたの世話にはなりません。徳兵衛さんがおしまいなら、私は徳兵衛さんといっしょに死にます」
縁の下の徳兵衛は、お初の足首を触って(私も同じ気持ちだ)と伝えました。
九平次は気味が悪くなりました。
「女郎が男のために死ぬ？ 興覚めだ。帰るぞ」
九平次が帰った後、徳兵衛はお初に言いました。
「お初…。今晩、いっしょに死のう」
「ええ、覚悟はできています」
その晩、天満屋の人々が寝静まるのを待ってから、二人は外へ出ました。死に場所を探して、曽根崎の森へ行きました。お初は腰帯を一つ外して、二人の体を固く結びました。
「生まれ変わったら、きっといっしょになりましょう。徳さん、さあ、私を殺してください」
「お初！」
徳兵衛はお初の喉に剃刀を、二度三度刺して殺しました。そして、自分も同じ剃刀で首を切って死にました。
次の日、固く結ばれた二人の遺体を見つけた人々は、二人の悲恋を思って成仏を祈ったということです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわり
10 сен 2024
