【ちゃんとできる！誤嚥性肺炎！】〈前編〉誤嚥性肺炎が好きになる！得意になる！すべての医療職必見！ 

ご質問ありがとうございます！ ①誤嚥性肺炎、化学性肺臓炎の鑑別 クリアカットに説明できるものではなく、簡単にオーバーラップする疾患概念であることを承知の上で申し上げると ・誤嚥からの発熱時間が短ければ化学性肺臓炎の可能性が高い(細菌の培養には時間がかかる) ・化学性肺臓炎は比較的全身状態がよく、画像変化や炎症マーカーの上昇も軽微 などがポイントになるかと思います。 あとは結局その時に抗生剤投与を待てるかどうかの問題だと思います。化学性肺臓炎っぽいなと思っても患者さんの余力がない場合は抗生剤を入れますし、誤嚥性肺炎っぽくても1,2日は抗生剤なしでも行けそうならフリーでみることもあります。その中でショートスパンでやめてみるのも個人的にはありだと思いますが、最終的な判断は指導医に仰ぐのがよろしいかと思います。 ②セフトリアキソンが使えない状況 セフトリアキソンはバクテロイデス属など下部嫌気性菌はカバーしていませんので、胃がない人の嘔吐による誤嚥などであれば可能性はあるかと思われますが、そういった状況は少ないかと思います。 院内感染の場合は緑膿菌などのいわゆるSPACEをカバーするか問題になることはあるかと思います。 もし過去の培養検査でSPACEが検出されている、前回の抗生剤使用から間隔が短い、肺炎が重症であり余力がない場合などは、より高域な抗生剤が選択される場合もあると思います。 あとはセフトリアキソンの副作用で胆汁鬱滞がありますので、以前胆嚢炎を抗生剤で散らした方などはあまり使わない方がよいと思います。

おっしゃる通り、化学性肺臓炎の場合は嘔吐したものを誤嚥したというエピソードが多いです。 しかし嘔吐はなく食べ物をそのまま誤嚥し、それによる軽い炎症が起こることもあります。その場合は37度台など微熱レベルのことが多いと思われます。