宇宙暦796年8月6日の自由惑星同盟最高評議会は、軍から提案された帝国領侵攻案を賛成多数により可決した。これにより自由惑星同盟軍は帝国領侵攻の準備にかかることになった。同年8月12日統合作戦本部において帝国領侵攻の具体的な作戦の構築するための会議を開く。会議の座長であり、軍のトップであるシトレ本部長は帝国領侵攻には反対であったが、最高評議会の決定と、戦時における自由惑星同盟軍最高司令官代理の立場から、帝国領侵攻の最高責任者となった。
この会議の前には、侵攻作戦の概要は決定されていた。
将官以上の帝国領侵攻に関する人事は以下の様になる。
遠征軍総司令官 ラザール・ロボス元帥
総参謀長 ドワイト・グリーンヒル大将
作戦主任参謀 コーネフ中将(配下に作戦参謀 アンドリュー・フォーク准将他)
情報主任参謀 ビロナイレン少将
後方主任参謀 キャゼルヌ少将
実戦艦隊と司令官
第 3艦隊 ルフェーブル中将
第 5艦隊 ビュコック中将
第 7艦隊 ホーウッド中将
第 8艦隊 アップルトン中将
第 9艦隊 アル・サレム中将
第10艦隊 ウランフ中将
第12艦隊 ボロディン中将
第13艦隊 ヤン中将
8個宇宙艦隊を動員(各艦隊の艦艇数1万2千隻強)
その他、技術、工兵、補給などの独立部隊
総動員数 3022万7400名
以上の陣容を後方主任参謀のキャゼルヌ少将が読み上げ作戦会議が始まる。
前例の無い巨大作戦に各艦隊の提督たちも無心ではいられなかった様だ。
シトレ本部長が「諸君の活発な議論と討論を希望する」と述べると、最初に手を上げたのはフォーク准将であった。
「今回の遠征は、わが同盟開闢以来の壮挙であると信じます。幕僚としてそれに参加させていただけるとは、武人の名誉、これにすぎたるはありません」と抑揚に乏しい、原稿を棒読みする様な口調で自身の思う所を述べて討論が始まった。
討論で最初に質問を行ったのは、第10艦隊司令官のウランフ中将だった。
14 окт 2024