今年ベスト級の作品でした。フリッツ・フォン・エリックの現役時代は知らないけれど、ブルーザー・ブロディやリック・フレアはTVで毎週見ていた世代です。 父親が家族に向けていつも繰り返す「最もタフで、最も強く、最も成功すること(to be the toughest, strongest and most successful)」という妄念こそが一家の「呪い」の正体だったとは。 その呪いから唯一逃れた、家族思いのケビンがレスラーとしてはいまいち華がなかったのも皮肉でした。戦うことから降りられずに死んでいった者と、降りる勇気があって生き残った者の対比が悲しかったです。 鋼のように鍛え上げられた男ばかりが登場するのに、いやな男臭さはなく、美しい造り上がりも見事な作品でした。 チラシの写真もギリシャ彫刻みたいで最高ですよね。