お久しぶりだゾ～
今回はロシア革命100周年を記念(激遅)して、ソ連構成国国歌メドレーを作成しました。
全14共和国(ロシア共和国には固有の国歌がなかったため)＋ソ連国歌という構成。
が、最大の問題がひとつだけあります。
それは 訳 の 精 度 に 問 題 が あ る ということ。
私はロシア語とルーマニア語の学習歴があるので、ロシア語のソ連国歌とウクライナ語・ベラルーシ語のウクライナ・ベラルーシ両SSR国歌、そしてモルドヴァ語のモルドヴァSSR国歌は問題ないのですが、それ以外の言語には明るくありません。なので、その他の国歌についてはwikipediaロシア語版・英語版・トルコ語版などを参照しつつ重訳を行っています。
しかしながら、ロシア語訳や英語訳は原語版からかなり意訳された箇所が多数あると推定されること、またロシア語訳と英訳で(意訳の問題で)微妙に内容が異なるなどの理由により、本動画の和訳には非常に疑わしい点があります。私ももう最後のほうは投げやり気味に…(問題発言)
だいたいこんな感じなんだなっていうスタンスで聴いていただければ幸いです。
各構成国国歌
・アゼルバイジャン＝ソヴィエト社会主義共和国国歌(1944-1992)
Üzeyir bəy Əbdülhüseyn oğlu Hacıbəyov(ユゼイル・ベイ・エブデュルヒュセイン・オグル・ハジュベヨフ)作曲、Səməd Yusif oğlu Vəkilov(セメド・ユシフ・オグル・ヴェキロフ)作詞。
作詞と作曲がなされた時期は不明ですが、正式に制定されたのは1944年。なお、作曲者ハジュベヨフは1918年にアゼルバイジャン民主共和国国歌も作曲しており、この曲は現在
『アゼルバイジャン行進曲』としてアゼルバイジャン共和国の国歌になっています。
特徴としては、レーニンと共産主義への熱いリスペクト、指導的存在としての(共産)党そしてロシア人への圧倒的感謝が描写されています。
この4要素はソ連構成国国歌あるあるといった感じで、もはやこの4つを入れておけばよいみたいな風潮すら感じられます。
1944年制定版ではスターリンを賛美する歌詞が含まれるため、1978年に当該部分の歌詞が改定されました。
・アルメニア＝ソヴィエト社会主義共和国国歌(1944-1991)
作詞はԱրմենակ Սարգսյան(アルメナク＝サルグシャン)、そして作曲は知ってる人は知っているソ連の巨匠Արամ Եղիայի Խաչատրյան(アラム＝イェギアイ＝ハチャトゥリャン)です。
どういう経緯で彼が作曲することになったのかは不詳(というか調べる気力が湧かなかった)ですが、名曲ですねぇ…
本動画では1番のみなのでうかがい知ることはできませんが、2番と3番では案の定レーニン、共産主義、ロシアとの友好が歌われています。合格です。
ロシア語版・英語版・アルメニア語版Wikipediaのいずれにも記載がないので実際のところは不明ですが、この曲も作詞当初はスターリン賛美の歌詞を含んでいたと思われます。
・ベラルーシ＝ソヴィエト社会主義共和国国歌(1955-1991)
Міхась Клімковіч(ミハーシ＝クリモーヴィチ)作詞、Несцер Фёдаравіч Сакалоўскі(ニェスツェル＝フョーダラヴィチ＝サカローウスキ)作曲。
作詞作曲自体は1944年時点で行われていたようですが、正式に国歌となったのは1955年。この11年の空白なんなのか。
1番でいきなりロシアとの友好を歌ったかと思えば繰り返し部分ではレーニンと党について言及、3番では Сцяг камунізму - радасці сцяг! (共産主義の旗は歓喜の旗) とかいうとんでもないパワーワードまででてきます。えぇ..(困惑)
お気づきかと思いますが、現在のベラルーシ共和国国歌も歌詞は変えつつも同じメロディーを残しています。
・グルジア＝ソヴィエト社会主義共和国国歌(1944-1991)
ოთარ ვასილის ძე თაქთაქიშვილი(オタル＝ヴァシリス＝ゼ＝タクタキシュヴィリ)作曲、გრიგოლ გრიგოლის ძე აბაშიძე(グリゴル＝グリゴリス＝ゼ＝アバシゼ)作詞。
みんな大好きスターリンおじさんの出身地であるグルジアのこの曲ですが、ソ連構成国国歌あるあるの「ロシア(人)との友好、または賛美」要素がでてきません。
ロシア人を差し置いてソ連の頂点に立ったスターリンおじさんの意図によるものなのか、単に作詞者が忘れていただけなのかは不明ながらどうにも意味深ですね…
レーニン、共産党、共産主義の3要素はちゃんと歌詞にあります。
・カザフ＝ソヴィエト社会主義共和国国歌(1945-1991)
Қайым Мұхамедханов(カユム＝ムハメドハノフ)作詞、Мұқан Төлебаев(ムカン＝トゥレバイェフ)作曲。実際には作曲者・作詞者ともに複数いますが割愛。
歌詞は1943年に行われたコンクールで優勝したムハメドハノフの詞を基に手を加えて完成したようですが、元の詞の良さがあまりに素晴らしかったのか、共産党員ではないムハメドハノフが優勝したことで本人も驚いたのだとか。
レーニン、共産党、ロシア人への熱いリスペクト要素が含まれていますが、「共産主義」の語だけは出てきません。ムハメドハノフは熱心な共産主義者というわけではなかったのかもしれません。
・キルギス＝ソヴィエト社会主義共和国国歌(1946-1992)
作詞・作曲者ともに複数人いるため割愛。ただ、作曲者の中にはロシア人であるВладимир Власов(ウラジミール=ヴラーソフ)が含まれます。キルギス人じゃねぇのかよ。
今回和訳詞を作るうえで最も苦労した曲かつ最も訳の精度が怪しい曲でもあります。
自信がないので特に言う事もないですが、現在のキルギスではこの曲を公の場で演奏することが禁止されているようです。かなC
・ラトヴィア＝ソヴィエト社会主義共和国国歌(1945-1990)
疲れてきたので作詞・作曲者はもう割愛。もう別にいいかなって...
歌詞としてはかなり控えめ。「ロシア人」と「レーニン」は出てくるものの、「共産主義」も「(共産)党」も出てこない。ソ連に加わった経緯が経緯だしまぁ多少はね？
なお、現在のラトヴィアでは当然のようにこの曲は禁止されている。
疲れたので続きはそのうち書きます
18 ноя 2017
