石川・能登半島地震から3日。人命救助のタイムリミットと言われる72時間が迫っています。4日の石川県輪島市の状況をお伝えします。
輪島市の中心部にある建物は大きな被害を受けたままの状態です。住宅は1階部分が完全に押し潰されていて、2階が地面すれすれのところまで来ています。瓦屋根も崩れて辺りに散乱しています。片付けはまだ全然進んでないように見えます。
電柱は折れて、電線が道路に垂れ下がっている状態です。夜間は特に電線が見えにくい状況で、移動するのにかなり注意を払わなければなりません。
輪島市大規模な火災に見舞われたエリアも、ほぼ手付かずの状態です。崩れた瓦が散乱したままの状態で、その横には焼け焦げた柱でしょうか、建物の一部が横たわっています。
また、電柱が何本も電線にもたれかかって倒れています。住宅も1階部分が完全に押しつぶされてしまっています。
現場は地震発生から3日が経っていますが、まだ焦げ臭いにおいが漂っていて、ところどころから白い煙も見えます。消火活動は終わっているはずですが、至る所から煙が上がっています。
朝市のメインストリート「朝市通り」は本来であれば両側にたくさんの店舗が並び、多くの観光客で賑わうはずですが、ここも大きな被害を受けてしまいました。
至る所に「漆」の文字がありまして、漆器を取り扱う店舗が多かったようです。輪島塗を扱う店舗が2店舗並んでいたという場所も、跡形もなく崩れてしまっています。
通りには消防のホースがいまも置かれていて、必死の消火活動が行われたあとが感じられます。
(自宅にある土蔵から奇跡的に救出された輪島塗元職人の男性)
土蔵にいたら、ぺちゃんこになって助けられた。命があっただけでも良かった。(土蔵は潰れたが)たまたま頭のところに隙間があって助かった。土蔵は弱く、他の人の所も土蔵がいちばんぺちゃんこです。
(Q.蔵の中にいらっしゃったんですか?)
はい、冬は温かいもんでね。
(Q.けがはされていないですか?)
ガラスで切って足をけがした。ふれあいセンターで若いお医者さんに応急処置をしてもらった。やっときのう(3日)歩けるようになった。きょうこれからガーゼをかえてもらいに病院に行こうとしているところ。
携帯も財布も通帳も失って無一文。でも、本当に助かったことを喜んでいる。
(Q.お住まいには帰れない状態ですか?)
はい。そのため避難所に行っているが、いっぱいで寝ていられない。ペットボトルの水を1本もらうだけで精一杯。おにぎりを1つもらった。中には2人で1つのおにぎりを分けて半分ずつ食べている人もいた。いま一番必要なものは食べ物。きのうまでは飲まず食わずだった。
(Q.いつ、どのように助けられましたか?)
助け出されたのは割と早かった。助けてくれたのは救助隊ではなく、近所の若い人だった。建物の骨組みに足を挟まれていたところを引っ張ってくれた。幸い、顔を出せていたので声が届いたのだと思う。がれきに囲まれていたら窒息していたと思う。
29 окт 2024