映画『名付けようのない踊り』田中泯インタビュー
今多いのは“踊りビジネス”。否定はしないけど、僕にはできない
『名付けようのない踊り』とは言い得て妙。約2時間の映画の中に、同じものは1つとしてない。決め事があるとすれば、田中泯という肉体と精神だけ。そこから流れ出てくるものを誰かがその場で受け取ることが、踊りなのかも。そんな印象を抱かせる。
2003年の『メゾン・ド・ヒミコ』で俳優と監督として出会った田中泯と犬童一心が、ヨーロッパ、東京、田中が拠点とする山梨や日本各地を巡って活動を記録し、山村浩二のアニメーションなども交えて映像で再構築した本作もまた、新鮮で、名付けようのない映画だ。
こちらの質問から豊かに広がっていく田中泯の言葉、身のこなしを間近に浴びながら、また新たに1つ、名付けようのない踊りが現れているのを実感した。
──私は踊りについては詳しくなく、たまに演劇の舞台などに出てくる踊りを見てきた程度です。その度に、喰らってしまう…異様な圧を受けるような感覚があって避けてきたのですが、この作品を見て、思い込みを覆されました。とても新鮮な驚きがありました。
田中:ありがとうございます。頭、痛くならなかったですか。

──なりました。痛くなったのですが、嫌な感じではなくて、心地よい痛さというか。失礼かもしれませんが、見ているうちに田中泯さんのことすら超えて、いろいろなことを考えたくなる、触発される嬉しさがありました。
田中:そうでしたか。本当にそうなんです。僕の思っている踊りって、踊りでなきゃいけないわけじゃない。人によって、それは詩になったりもしますが、それは僕から言わせれば踊り的な結果になっていく。要するに、やりとりしてるわけです。踊りを見ていただくということは、僕から出ていった何事かを見てる人が単にそれに触れるだけじゃなくて、自分からもちょっと出ていくようなこと。それが踊りの出会いの始まりだと思うんですね。では踊りが終わった後にどう残っていくか。僕は、そこにも踊りは存在してると思っているんです。それはもう既にあなたの踊りになっているかもしれないし、ひょっとしたら僕の踊りがまだ引っついてるかもしれないし、それはもう見えない世界です。その当人のある種の表現になっていくんでしょう。僕にとって、踊りはそのくらいすごいものです。僕が踊るからすごいんじゃない。踊りという歴史、あるいは踊りという物質といってもいいかもしれません。物質がこの地球上に出現して、そして無数の人たちがそれを好きになって、残っている状態。それが僕は大好きなんですよね。そのほとんどは無名です。名前も付いてないものなんですね。「私は何某(なにがし)という者で、こういう名前の踊りを踊っています」ということでは伝わらない何かが踊りの本質にあるんじゃないかと僕は思ってます。
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14 окт 2024