動画では打法の原理説明の為に動作を大きく分解して観せておりますが、実際は1秒にも満たぬ刹那の時間の内でのことです。踏み込むと同時に前足に全体重をかけ打突し、しかる後に跟歩してさらに突き貫く事で、身体の表面の守りとなる皮膚、筋肉、骨格、腹圧の外郭からの反発力を一旦飲み込み、敵の内郭深くの内蔵に激震を与えて倒します。敵の対打撃免疫力である排打功(硬気功)を打ち破る為の打法です。あと、これはあくまでも勁道を補助する技法であり、歩法が無ければ拳法は打てないということではありません。形意拳はその場で歩を止めても打てますし、歩きながらでも打てるものです。形意拳の勁道は整勁という重心を沈下させ安定させた堅固な姿勢から得られる力と、翻浪勁という丹田、脊髄からの縦回転と表現される力、袖絲勁と呼ばれる手腕からの螺旋の力を一致させ、通臂させることで導き出されるものです。それを身体ごとまとめて叩きつけることでさらなる威力とするのが、この打法となります。
18 сен 2024