ここは日本外交官の最前線。
３００人以上のＶＩＰを招いた重要なレセプションにいたのは、
日の丸を背負ったサムライのような料理人。
岐阜の料理人、高見直樹（たかみ・なおき）さん５０歳。
その妻、高見愛子（たかみ・あいこ）さん。
料理のことしか頭にない夫を影で支えています。
ここは岐阜ではなくオーストラリア。
しかも日本大使館の中。
高見さんはそこで料理の腕をふるう公邸料理人なのです。
今回、特別に取材許可をいただき大使館が主催する重要なレセプションに潜入！
日本外交を味で支える岐阜の夫婦その活躍を追いました。
夫婦がオーストラリアで公邸料理人として働き始めたのは、今から４年前。
岐阜駅から長良川をはさんだ住宅街にお店はありました。
１日１組限定の小さな料理店。
全国から選び抜いた食材は大将の手にかかるとまるで魔法のように生まれ変わります。
予約の取れない人気店でした。
寡黙で職人肌の大将と明るく社交的なおかみ。
そんな大将が「ある決断」をします。
オーストラリアの首都キャンベラ。
人口はおよそ４６万人で豊田市よりやや多い規模のこの街は、
各国の大使館が集中し、外交活動が盛んに行われています。
日本外交にとって重要なレセプション！
３００人以上のＶＩＰを前に口下手な大将に
パフォーマンスをしてほしいという依頼が。
果たしてうまくいくのか…。
先月１８日。
オーストラリアにある日本大使館で開かれた巨大レセプション。
今回、外務省と取材交渉を重ねた結果、
普段は絶対にカメラを入れない
重要なレセプションの取材許可が特別におりました。
おかみが電話をしていたのはシドニーの魚市場。
海がないキャンベラ。
およそ３００キロ離れた港町シドニーで新鮮な魚を手配します。
注文したら翌朝シドニー港で上がった魚が空輸されるというスピード感。
仲買人さん、マグロに徹底的にこだわっています。
大将が料理だけに集中できるよう
仕入れはもちろんおかみは大将のあらゆるケアをします。
もちろん買い物も。
おかみ、キャンベラで評判の店は知り尽くしています。
大使館内にある日本庭園。
ゲストに「和」を感じてもらおうと作られた美しい場所。
そこがレセプションの会場に早替わり。
着々と準備は進みます。
そしてすしパフォーマンスの下見。
極端に口下手な大将。
３５０人を前に握りながら解説をすることなどできるのでしょうか？
レセプション当日の朝７時。
本番の１２時間前から料理の準備に取りかかります。
普段は厨房に立つことのないおかみもお手伝い。
４５０個の唐揚げと格闘です。
できあがったのは自家製ポン酢につけ込んだ唐揚げ。
公邸内でとれたコリアンダーを使ったつくね。
西京みそにつけ込んだシャケです。
大将がすしを握り始めました。
するとおかみが「あうんの呼吸」で中庭へ。
お目当ては公邸の庭にある「モミジ」。
よく洗って握りの「あしらい」となりました。
仕込みを続けること１０時間。
コロナ禍で完全な形のレセプションは４年ぶり。
必ず成功を！大使館スタッフも気合が入ります。
午後６時、オーストラリアの陸海空軍をはじめ、
大物政治家や各国の大使などＶＩＰが続々と到着します。
年に一度開かれる自衛隊記念日レセプション。
自衛隊の創設を記念し、日本とオーストラリア両国の
さらなる友好関係を強化するのが目的です。
レセプションのメイン、大将のすしパフォーマンス。
味の外交官、腕の見せどころです。
式典は、オーストラリア国防軍の司令官など重要人物が顔をそろえ
和やかな雰囲気で始まりました。
いよいよレセプションのメイン、大将のすしパフォーマンスです。
手元だけに集中できることになった大将。
いきいきと握りはじめました。
大将の握りに合わせ福島県産の日本酒も用意されました。
今年５月、トルコからオーストラリアに赴任し
初めての大きなレセプションを開催した鈴木大使。
段取りの変更はあったもののすしパフォーマンスは成功したのだ。
【2023.11. 17放送】
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16 ноя 2023
