依頼人（ミルクカッツェ・６０代・札幌在住）
「昔、オーロラタウンに川があったと思うのですが、調べてください」
オーロラタウンとは、
札幌の大通駅からテレビ塔までつながる３１２ｍの地下街のこと。
ススキノに繋がる４００ｍのポールタウンと共に、
札幌を代表する地下街だ。
そのオーロラタウンに、川があったなんて・・・。
調査員
「オーロラタウンに、川はありません！」
オーロラタウンに川はなかった。マチの人に聞いてみても・・・
調査員
「オーロラタウンに川があったと聞いたが？」
札幌の人
「川！？オーロラタウンの中に？ごめん、よくわからない」
「昔、ここが川だったってことですか？ビックリです！」
調査は、さらに続く・・・
札幌の人
「川！？川って言うか、通路みたいな・・・そこに用水路」
「はいはいはい。川の横で遊んだ気がするけど、もうダメです。年とったら、みんな忘れます」
やはり昔のオーロラタウンに川はあったようだ！
そこでHBCのアーカイブセンターで調べてみると・・・
調査員
「ありました！オーロラタウンの川の映像を発見しました！」
その映像がコチラ！
こちらは女神像の除幕式の映像なのだが、
参加者の足元をよく見て欲しい、何やら川の様な物が。
また、新年の餅つきの映像にも、確かに川の様な物が映りこんでいる！
やはり！オーロラタウンに、川があったようだ！
映像を見ると、幅２ｍほどの白い水路がライトアップされており、
その両端には、花や緑が並んでいる。
水路には噴水機能もついているようだ。しかし・・・
１９８２年以降の映像は、水路が無くなっている。
いったい何があったのか？
その真相を探るべく、札幌の歴史に詳しい人物に聞いた。
街歩き研究家 和田哲さん「よろしくお願いいたします。」
今日ドキッ！歴史散歩のコーナーでお馴染み、
街歩き研究家の和田哲さんだ。
街歩き研究家 和田哲さん
「私が小学校３年生くらいまで、オーロラタウンの中間地点くらいに、長さ４０ｍ位に渡って、通路の真ん中に川があった」
開業当初オーロラプラザの前には幅２ｍ、長さ４０ｍの川が流れていた。
「よろこびの川」と呼ばれ、途中には２か所の橋がかかり、
川の両端には、水飲み場と女神像があったという。
さっぽろ地下街が完成したのは１９７１年のこと。
翌年のオリンピックに向けて、地下鉄・南北線が開業するなど、
札幌のマチは、熱気に溢れていた。
そんな札幌に地下街が作られたのには、当時の社会問題があった。
街歩き研究家 和田哲さん
「当時の駅前通りは、車も増え始めていたころで、これ以上道幅を広げたら、今度は子供や高齢者が一回の信号で、狸小路３丁目から４丁目に渡れなくなってしまうんじゃないかと」
高度経済成長期で急成長した札幌市。
車の量が増え、交通渋滞が大問題になっていた。
そこで、札幌駅前通りを拡幅することになったのだが、
狸小路３丁目と４丁目の信号を渡り切れなくなる人が出るということで、
「地下に歩道を作ろう」と誕生したのが、さっぽろ地下街だったのだ。
調査員
「なぜ地下に川が作られた？」
街歩き研究家 和田哲さん
「大通公園の様な憩いの場を地下にも作ろうというコンセプトがあった。だから川だけでなく滝もあったし、水槽もあったり、そういう憩いの場の様な場所がたくさんあった」
大通公園の自然を地下街にも再現しようと川が作られたのだ。
オーロラタウンには、
川の他に滝や噴水がつくられ、今も残る小鳥の広場もこの時にできた。
また、ポールタウンには、水槽やシンボル塔なども設置。
しかし、そんな思いのこもった川は、なぜ無くなったのか？
調査員
「なぜオーロラタウンの川はなくなった？」
街歩き研究家 和田哲さん
「通行量が増えたので、それに対応するためというのが一番大きな理由。1981年の地下街１０周年の時に撤去された。地下鉄・東西線が新さっぽろまで延伸されるタイミングだった。これからオーロラタウンの人出が増えてくるので、そういう判断もあったんじゃないかと」
さっぽろ地下街は、１０周年を迎えた時、
リフレッシュ工事が行われたのだが、
人通りが多くなり、通路の幅を広くする必要が出てきたことや、
水道管の老朽化などを理由に、川は撤去されてしまったというのだ。
とある札幌市民によると「川の反対側の店に行きたくても、
橋まで遠回りしないといけないので邪魔だった」という声もあった。
調査依頼はこちら↓
lin.ee/pYvxEEm
www.hbc.co.jp/...
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6 сен 2024
