【横溝正史原作】映画「病院坂の首縊りの家」を語る！【後編】 

「病院坂」はご指摘のとおり色々な不備が目立ちます。でも個人的には佐久間良子さんの美しさは、シリーズをとおした女優陣の中で最高レベルでした。桜田淳子さんは演技はともかく稀有な存在感で十分本作に貢献していたと思いますよ。そして小林昭二さん。ラストの演技は圧巻でした。人力車のそばで泣き崩れる姿に、このキャラクターの人生の哀歓の全てが凝縮していたと思います。このシーケンスで終わればよかったのに、最後の横溝邸の茶話会シーンで感動の情感が飛散してしまい、映画館を出る時足が重たかったのを思い出します。

悲しみに満ちた事件でしたね。 金田一が悲しみに徹するために、草刈正雄さんが陽の部分をすべて引き受けたんでしょうか。いいキャラクターでした。 あと、桜田淳子さんの演技が素晴らしかったと思います。もっともっと女優として活躍してほしかった。

写真屋さんのシーンはサスペリア2を彷彿とさせます。

市川監督は悪魔の〜でもう金田一シリーズ作るのは疲れ果てたのに無理矢理やらされたらしい。この作品はほのぼのとしたシーン少なく、音楽は悲しみに満ちてよかったですが、無理矢理完結させた感が強かったですね。

石坂浩二版は、犬神家、手毬唄、獄門島、の三本までが、面白く、あとは印象が薄い。渥美清版を、もう一本作ってほしかったな。まあ、前作を越えるのは、相当のプレッシャーがあったんだろうな。