ちょこっと法話「私もあなたのように～「讃仏偈」のおこころ～」 

浄土真宗の勤行でよく用いられる「讃仏偈」。私たちは阿弥陀さまを讃嘆する意でお勤めをさせて頂いています。
ところが元は『仏説無量寿経』に説かれるように法蔵菩薩（阿弥陀仏）が師の世自在王仏を讃えられた偈文なのです。何故私たちが阿弥陀さまを讃える偈文として用いているのかと言えば、凡夫である私たちには仏さまの素晴らしさを正確に過不足なく知る事ができないからです。仏さまの素晴らしさを寸分たがわず讃える事が出来るのは仏さまだけですから、法蔵菩薩（阿弥陀仏）が師の世自在王仏を讃えられた偈文をもって、阿弥陀さまを讃えた事にさせて頂いているのです。
では、その「讃仏偈」にはどのように讃えられているかと言えば、１つには仏さまの神々しいおすがたと智慧と慈悲をもって衆生を救済するお徳が讃嘆されています。２つめには私もあなたのような仏さまになりたいという思いが述べられます。真に素晴らしいお方に出遇ったとき、私もあなたのように成りたいというのは最高の讃嘆なのです。３つめにはその思いが嘘偽りのない事、そしてどんな苦難があろうとあなたのような仏さまになる事が実現する決意と諸仏の証誠を願うのです。
私たちは阿弥陀さまのように成りたいとも、それを実現する為に修行を完成する事もできません。
ですが、せめて
仏に成りたいとも浄土に生まれたいと思わない。ましてやそれを実現する為の修行を完成することもできない私だからこそ、浄土を願う者へ、仏に成りたいと思う者へと育てるぞと願われた仏さまの願心が、いまここに「南無阿弥陀仏」と届いているのです。
「讃仏偈」を通して、阿弥陀さまのお徳の素晴らしさを味わい、私も阿弥陀さまのような仏さまに成りたいという思いを持たせて頂きましょう。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。（20240213）
※短い時間ですので略説しており言葉が不十分な点もある事をご了承ください。