岡の全盛期は終戦直後であった。彼の底抜けに明るい歌声が、平和の到来と開放感に充ちた時代にはまったのである。
「東京の花売娘」ではブギウギのリズムに乗せ、ジャズ・米兵と焼け跡の首都の風俗を叙情的な歌詞で表され、「憧れのハワイ航路」では、戦争の火蓋が切られたハワイを、何の衒いも無く憧れの観光地に置き換えた。当時連載が始まった「サザエさん」に、フグ田サザエが「啼くな小鳩よ」を歌う場面があり、当時の岡の人気の程がうかがわれる。 リーゼントのヘアスタイルでも人気をあつめた岡は、歌手の傍ら、ポマードの販売を行うなどの話題を集めた。
地方巡業を優先したため、紅白歌合戦には生涯一度も出場することはなかった。
課長の月収が200円の時代、ワンステージ1万円でも引く手あまただった。
4 окт 2024