ひとりになるため誰かを愛して
人生が果てない旅だと感じるのは
到達点に“はじまり”とルビを振ってみせた
迷惑な詩人のせいだろう
あるいは一本の紙テープだった道筋を
糊で貼りつけ輪っかにしてしま った
幼子(おさなご)の仕業かも知れない
祝祭のある広場にたどり着き
私は恋をする
人いきれに酔い
言葉を応酬し
情熱の灰汁(あく)にまみれた指先で
未来への搭乗券を手渡しあう
だがその後
私は猛烈に孤独が恋しくなる
群れを抜け出せばいつも砂漠の空
心を映して月は今宵も
さめざめと泣いてくれているのだ
私はまたひとりになるために
誰かを愛してしまったのだろうか?
“終わりを失くした始まり”ばかりが
土産物(スーベニール)のように旅行鞄を埋めてゆく人生
それにしても機上のレモンティは
どうしてこんなに熱いのだろう
冷めるのを待つ数分だけが
至福の休息だと言わんばかりに
1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞が、自選詩集『感情の配線』の発売を記念して詩を朗読する番組。
メロディーを脱ぎ捨てた諧謔とエロスと波動(グルーヴ)詩人・森雪之丞の言葉の軌跡を是非ご体感ください。
森雪之丞 自選詩集『感情の配線』
2024年1月14日(日)発売
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森雪之丞スタッフX: / yukinojo_news
29 июн 2024