早稲田大学演劇博物館・(財)逍遥協会 企画・監修
"世界の中の日本演劇"シリーズ3
文楽~人の心を映す人形浄瑠璃~
文楽の歴史は古く、17世紀初めに人形芝居と音楽的旋律を交えた語りもの「浄瑠璃」とが結びついて出来たと考えられている。ここでは人形遣いの舞台裏などの貴重な映像と共に、太夫の語りと三味線の伴奏、そして人形が表現するきめ細やかな表情を通じて文楽の芸術的な世界を紹介する。
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浄瑠璃芝居は本来音曲を主体とした「語り物」であったが、人形操りが加わることにより、視覚的にも訴える演劇となった。起源は古く中世に遡るが、広く庶民に享受されるようになるのは江戸時代に入ってからである。合戦物・宗教物を中心とした古浄瑠璃の時代を経て、延宝期(1670年代)以降、浄瑠璃の語り手竹本義太夫とその作者近松門左衛門との活躍などにより、一定の史実を踏まえた「時代物」、近時話題となった心中事件などに取材した「世話物」が生まれた。以降、浄瑠璃はこれら二つの「世界」(いわゆる作品の背景)に立脚した様々な名作を作り出し、今日の文楽へと発展して行く。江戸中期の歌舞伎に及ぼした浄瑠璃の影響は計り知れない。
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出演者
「曾根崎心中」
太夫 竹本織大夫
三味線 鶴澤清治 ほか
人形 吉田玉男 吉田蓑助 ほか
「一谷嫩軍記」
太夫 竹本住大夫 豊竹十九大夫 ほか
三味線 野沢錦弥 鶴澤清介 ほか
人形 吉田玉男 吉田蓑助 吉田文昇 吉田文吾 ほか
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企画・監修:早稲田大学坪内博士記念演劇博物館・財団法人 逍遥協会
制作:NHKエデュケーショナル
制作協力:東京メディアコネクションズ(株)
発行・発売:プロセス資材(株)
1997年
1 янв 2024