マニアだけが知っているリアルポルシェ!”ポルシェ914/6” その名が示すようにシリーズ唯一6発エンジンをミッドにマウントしています。もちろんそのエンジンはポルシェ911にも積まれている空冷水平対向6気筒エンジンなのです。
**愛車紹介**
1970年式(昭和45年) ポルシェ 914/6 5速MT 水平対向6気筒空冷エンジン 1991cc
ミッドシップ 2シーター タルガトップ 車体番号9140430066の初期ロットモデル ※日本国内で一番古い914/6と思われます。
旧ナンバー継続中
*******************
イベントへ行くと40歳台後半以上の方々から「ワーゲンポルシェ懐かしいですね!」とよく声を掛けられます。多くはフォルクスワーゲン製4気筒空冷水平対向エンジンが積まれており、海外では区別をつけるため4気筒エンジンモデルは”914/4”と呼ばれています。
ポルシェのエントリーモデルとして発売された914ですが、6気筒モデルは911と販売価格が変わらなくなったという理由で3338台しか売れなかった希少モデルなのです。
また、若い方たちからは『なぜポルシェとVWのエンブレムが一緒になっているのですか?』と質問を受けます。この時代ならではのヒストリーがあるのです。
当時のフォルクスワーゲンはビートルを中心とした車種展開で、ビートル以外のモデルは販売台数が頭打ちであった。特にスペシャリティモデルのカルマンギアはモデル末期を迎えていた。またポルシェは911をヒットさせていたものの、価格が高価だったためエントリーモデルとしてポルシェ356の旧式エンジンを積んだ912を併売していた。
VWにとってカルマンギアに変わるスポーツモデルをポルシェブランドによる販売力で売りたい!またポルシェにとって、912に変わる新しいエントリーモデルで若者にブランドをアピールしたい!そんな両社の思惑から、VWがエンジンを供給し、ポルシェが生産するというコラボレーションによって共同開発で生まれたモデルなのである。
当初は4気筒モデルはフォルクスワーゲンブランド、6気筒モデルはポルシェブランドとして発売の予定であったものの、両社の交渉がもつれ、妥協案として「フォルクスワーゲン・ポルシェ」と命名され、共同販売網を通じて売り出すことになりました。
日本ではポルシェなのにVWのエンジンを積んでいるので『ワーゲンポルシェ』とやや揶揄されたニックネームで呼ばれていたのです。※正規輸入販売店のミツワでも当時VWのエンブレムを隠して販売したとの逸話もあります。
ドイツでも「フォルクスポルシェ」(国民のポルシェ)と揶揄されました。そういった背景もあり、914/6はたぐいまれなパフォーマンスを持ちながらもポルシェファンから敬遠される形になってしまった不運のスポーツカーなのです。
しかしエンジンとミッションを911と前後逆にしてミッドシップとし理想の重量配分で運動性能を極限まで高めたスポーツモデルであることは何の疑いも無い!ただ当時はスタイルでも人気を得られなかったとも言えます。でも、アメリカでは若者に絶大な支持を受け、914/4は6年間で11万台と世界でも最も売れたスポーツカーだったのです。
#ポルシェ911 #ポルシェ912 #ポルシェ356 #カルマンギア #タイプ3カルマンギア
24 апр 2022