ヴィクトリアン・キッチンガーデン組曲/ポール・リード 

2024/3/30
伊藤朋子個展「触れる」
プログラムノートより
ヴィクトリアン・キッチンガーデン組曲/ポール・リード
よくあるクラシックの演奏会では、プログラムノートに、いつ、どういうなれそめで曲が書かれて、という言葉が並ぶ。
しかし、今回は友人の個展である。
少し違う視点でプログラムノートを書いてみようと思う。
イギリス生まれのこの組曲は、彼女の絵の中にある、穏やかな自然を愛で、それを純粋に、そして素朴に表現することと共通点があると思い選んでみた。
どこにでもある花やキャベツ。
普段なら通り過ぎてしまうものたち。
それをつぶさに見て、その愛らしさや力強さを足し引きなしに表現する。
いたずらな自己表現はなく、ありのままを描き、一緒に愛してみませんか？という言葉が聞こえる気がする。
音符の一つと、葉の一枚が呼応するように、「庭の音楽」と彼女の愛する小さな世界が呼応するのを感じていただけると嬉しい。
（草野裕輝）