●大東流合気之術
著者：曽川和翁／進龍一
定価：1,800円
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論 者： 曽川和翁
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挿入曲：『五輪の魂』
作 曲： 曽川和翁
音楽編曲： 佐孝康夫
ピアノ演奏：野原舞花
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動画監修＆イラスト：曽川あや
撮影場所：
【兜割について語る】
兜割は日本では十手に似た捕縛具として挙げられるが、歴史は十手より古く、室町期に徒侍が脇差とともに帯刀した古武器であり、全長二尺程で鉄刀といい、形状は「反り」を「脇差然」もった刃引刀（はびきとう）である。
鉢割（はちわり）とも呼ばれ、古美術では、60cmを超える長さの物は、日本刀から転用された刃引刀と混同されて双方とも鉄刀と呼ばれる。
主に室町時代から捕縛吏(捕方)などに使用された武器および捕具で、日本刀の攻撃を防げて尚且つ攻撃をする際に、相手に必要以上の負傷をさせることのないよう、刃がつけられていない。
長さは一尺から二尺程で、形状は敵の斬撃を受け流すため、
打刀仕様に湾曲し、斬撃を受け止める想定がなされ、断面が打刀よりも「重ね」が厚く、本歌物（＝本物の意）は鉄刀の鍛刀者の銘が四面に彫ってあり、手元には枝鉤（えだかぎ）が設てある。
兜割の名称は一体どこから発したのか。
「かぶとわり」と名称がある以上、鉄刀は確かに兜を叩き割ったのかもしれない。
だが、はたしてこの鉄刀で兜が叩き割れるものか。
疑問は、この一点に集中するが、現に戦国の世を生きた盲目の剣豪・富田勢源は中条流小太刀の達人で、美濃国では神道流の達人・梅津某を僅か一尺の棒で、初太刀の一撃で勝負を決している。
兜割（鉄刀）の仕様は小太刀然である。
兜そのものを叩き割らなくでも、それを被る相手の頭蓋は、兜の中で、既に粉砕されていたのではないか。
兜割の威力の程が窺われ、刀工によって鍛刀された兜割は、当今出回っている真鍮製のレプリカの兜割とは、一味も二味も異なる点が本歌物の優である。
実戦武器として制作された刃引刀は刀身にあたる部分と一体の柄部に紐や藤を巻いただけのものが多いが、高度な塗装や彫刻の施された拵に収められたものも多く、それらは実用としてよりは美術品としての価値を追求して作られたものである。
拵師は、以上を考慮した上で美術品としての兜割の拵に当たる。
兜割を用いた攻撃法は剣術を転用しているが、斬撃を旨とする日本刀とは異なり、敵の斬撃を受けて防御を主目的としている。
兜割の使い方は、鉤を眉庇に引っ掛けて、長い刃の方を地面に突き刺して固定してから、首を切り落とすと謂われる。
レプリカでない正統な本歌（本歌物という意味で本物）の兜割は鉄刀といわれるだけあって、当今の飾り物のちゃちなレプリカの真鍮製でなく、すべて刀剣と同じ玉鋼が使用され、その四面には銘が刻まれている。
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＃兜割 ＃鉄刀 ＃攻防一体 ＃本歌物 ＃鉢割 ＃枝鉤
12 июн 2022
