町山智浩の映画塾！「ウエスト・サイド物語」＜復習編＞ 【WOWOW】 

今観ると古さを感じてしまうけど、町山さんの解説を聞くと当時いかに画期的で挑戦的な映画だったかが分かる！

www.dastelefonbuch.de/Suche/Krupke namespedia.com/details/Krupke namespedia.com/details/Schrank Krupkeという姓がポーランド系かどうかは疑問です。ポーランドにも少しはあるが、電話帳やフェイスブックで調べると、むしろドイツ語圏に多い姓です。Krüpke, Kruppke, Krupka, Kruppka, Krupko, Kröpke, Kruepkeなどという異綴もあります。ハーチェクをつけてKřupkaと書く場合も。 ハノーファーの地名Kröpckeもチェコの地名Krupkaも同じ語源でしょう。スラヴに起源を持つ語でありアングロサクソンではないのは確実ですが、ポーランド系かどうかこの姓だけでは判断できません。Holocaust Survivors and Victims DatabaseにもKrupke姓の記載があるため、ユダヤ系の可能性もあります。 Schrank姓もユダヤ系かどうかは断定できないでしょう。Franz von Paula Schrankという人がいましたが、彼は司祭であってユダヤ系ではありません。イディッシュ風にShrankと表記されていれば、ほぼ確実にユダヤ系でしょう。

クラプキ巡査はポーランド系。シュランク警部補はユダヤ系らしきドイツ系。ドクはホロコーストで家族を失ったであろうユダヤ系。なるほど。ダンスパーティの司会の男性はWASP? ジュリエットの名前をマリアと変えたのには、聖書のどのような部分になぞらえる意図があったのでしょうか？ トニーはアダムのような純朴さがありますが、イエスの死にも少し似ていて、すると彼女はマグダラのマリア？ 同じマイノリティのカトリックであるポーランド系とプエルトリコ系の対立が描かれているのは、たまたまでしょうか。 歌詞の中にコミュニストという言葉が一瞬出てきます。当時の米ソ冷戦とポーランド本国の状況、あるいはキューバ革命のプエルトリコ本国への影響は、映画と呼応しているでしょうか。 バーンスタイン自身もユダヤ系で、ケネディと親しいリベラルの理想主義者であり、またゲイでもあったようですが、ロバート・ワイズや原作者など、他のスタッフの人種的･思想的背景も気になります。 ニューヨークのアイルランド系とイタリア系を描くスコセッシが、この映画が大好きすぎるというのは、とても納得がいきます。スコセッシの生涯のテーマがカトリックと暴力である、という意味でも。