町山智浩の映画塾！「ファイブ・イージー・ピーセス」＜予習編＞ 【WOWOW】 

聞き応えありすぎました、 町山さんありがとうございます

Mickeyという歌は、日本でも2003年頃ガレッジセールゴリ扮するチアリーダー「ゴリエ」のカバーで知られてるじゃん。

ボビーがカントリーソングを嫌うのは教養が無い歌だからではなくて、保守的な歌だからですよ。ボビーは伝統的な一家に生まれたがその家流を継がず、自由な道を歩みたいのにカレンが保守的だから彼女に魅力を感じられない。一家に合流したときに音楽に対する自由な意見や、ハイウェイでの自由な行動、でのマニュアル通りにしか動けない店員に対しての行動は一貫してボビーが徹底的に保守的な世界を嫌っている。特にハイウェイでの行動はボビーが他人と同じ道を歩まない、他人のコントロールに従わないという意識を保守的で停滞する社会という渋滞から別の道を進むという象徴的で巧に作られた素晴らしいシークェンス。家族からも恋人とも距離が生まれ、新しく出会った惚れた女は保守的な家に嫁ぐことを宣言する。ボビーは最後におそらくアラスカに行ったんだろうけど、彼のような男はとても共感できる。真似は出来ないけど。