無人島、ケンボッキに暮らしていたときのこと。
時は9月の夕暮れ。
漁師のWさんがムツさんのところに駆け込んできました。
「大変だ！人が船から落ちた！上げてやってくれ！」
船の舳先で作業をしていた青年が海に落ちてしまったとのこと。そして、もう命はないであろうけれども、沖に流されてしまう前に一刻も早く陸に返してあげたいのだという仲間の漁師たちの思いを伝えられます。
潜水でウニをとる漁師たちに頼んでも、誰に頼んでも、断られてしまい、もうムツさんしかいない、ということになったのだとも。
辺りは暗闇に包まれています。
どうする？
さすがのムツさんも、考えました。
しかし、たった一人で夜の海に潜水し、その青年を探す決心をしたのでした。
「まるで幽玄の世界に足を踏み込んでしまったかのようでした。」
と、語るムツさん。
その結末は・・。
最後に、浜辺で迎えてくれた漁師たちの温かい心に救われ、なんだかほっとします。
聞き手 スタッフ 明日美
カメラマン ツンタ
28 авг 2024
